※ ルイ様リクエスト作品
※ 東堂と名前1メインで、荒北と名前2は全然出てきません。
「せんせー、あそぼ?」
「ん、いいよー」
真波への対応。
「見てください、せんせい!ぼくのこのきたえあげられたきんにくをっ!あぶぅ!!」
「わ、すごいね泉田くん。また筋肉ついたんじゃない?」
泉田への対応。
「名前1、どうだ!!新しいカチューシャだ!似合うだろ!」
「へー」
・・・オレへの対応。
真波と泉田と小野田くんと遊んでいる名前1と所へと来たオレはすぐに新しいカチューシャを自慢したのだが、名前1は見向きもせずに三人と遊んでいる。少しは見てくれてもいいだろ!?付き合ってるのはみんな公認なのだからな!!!
「わぁ、とーどーせんせ、かっこいいです!!!」
「そ、そうだろ!?ありがとう小野田くん!」
「あはは!すごいやとーどーせんせー!」
「何が凄いのだ?」
「じしんまんまん!!!」
「あははっ!真波くん、ナイスッ」
・・・この腹黒たらしのクソガキが。明らかにバカにしてるだろ!?こっちチラッと見て鼻で笑ったぞ。オレと名前1が付き合っているのを知ってから、こいつはオレにこんな対応をとるようになった。だからオレは確信した、こいつはオレのライバルだと。
「ねー、せんせ!おれ、まなみくんじゃなくて、さんがくがいいなぁ」
「ん?名前がいいってこと?」
「うん!!」
オレも、泉田も小野田くんもいるというのに真波は徐々に名前1に近付いていく。そして、名前呼びがいいなんて言い出した。こいつ、何を言い出すんだ!?
「山岳くん?」
「うん、やったー!」
嬉しそうに名前1の胸に抱きついて、すりすりする真波。お、おい待て真波!!お前、そこは!!オレでも触った事ねぇんだぞ!!!!
ぐいっ
「真波、あっちでオレと遊ばんかね?」
「えー、やだぁ」
「あ、あぶぅッ!!!」
オレをニヤニヤしながら見る真波は、もっと力強く名前1の胸に抱き着く。泉田には刺激が強過ぎたのか両目を手で隠している。クソ、ああああああッ、やめろ!!!!
「真波、おま、そこは止めろ!!!」
「わっ、とーどーせんせーこわーい」
「ちょっと!山岳くん怖がってるじゃん」
真波の頭を抱え込んだ名前1は、オレをきっと睨んだ。
「ぼ、ぼく、あっちであそんできましゅ!!!」
「ぼくも!!!」
泉田と小野田くんは、急いでここから逃げてしまった。
「ほら、怖がらせるから二人ともあっち行っちゃったじゃん!!」
「む、悪いのはオレじゃないぞ!」
「はぁ・・・もういい。行こう、山岳くん」
「うんっ!」
名前1は真波を抱いたままオレから離れて行った。
「ガキかオメーは」
「・・・荒北」
「ガキに嫉妬してンじゃねーヨ」
呆れた顔をする荒北に、全部聞かれていたのかと恥ずかしくなる。確かに、冷静になってみれば園児に嫉妬なんてガキかオレは。・・・いや、嫉妬じゃねぇな。
「嫉妬してるわけではないぞ」
「じゃァ、何だヨ」
「・・・オレも構って欲しいのだよ、名前1に」
「構って欲しい、ねェ・・・気持ちは分からなくは無ェケド。・・・ま、頑張れヨ」
それだけ言って、荒北は園児達の元へ行ってしまった。
「名前1はオレの彼女なのだからな・・・少しは我慢して・・・」
「名前1せんせー!」
「ん?どうしたの真波くん」
いつから離れていたのか、違う場所にいた名前1を呼ぶ真波。名前1は急いで真波に駆け寄る。
「せんせー、しゃがんで!」
「なになにー?」
「おれ、せんせーだいすき!」
ちゅっ
真波が名前1の頬にキスをした。
「な、な・・・」
「うわぁ、ありがとう真波くん!」
羨ましいっ!!!羨ましいぞ真波!!!!!オレには勤務中にそんな事できないから尚更な!!そんな事をやった瞬間、名前1に怒られてしまうだろうな。
クソ、真波の奴またドヤ顔!オレなんて唇にできるんだぞ!!いいだろ!!羨ましいだろって言いたい。
「ヒュゥ!やるな、まなみ!」
「隼人・・・」
「がんばれよ、じんぱちせんせい!」
隼人も見ていたのか、オレを慰めてすぐに三輪車でどこかへ行ってしまった。園児に慰められる日が来るとはな。
「・・・はぁ」
ダメだ、気分が上がらねぇ。ボーッと園児を見ていれば、遊びの時間が終わって、気付けばもう帰りの時間。その間もずっといつもの調子は出ずに、仕事をこなしていた。
「名前1せんせ、ばいばーい」
「ばいばい、真波くん!」
「きをつけてかえってくださいね!」
「ありがとう。泉田くんもね?」
あー・・・いいな。名前1にあんな笑顔向けられて。オレだって普段向けられてるけど、他人に向けているのを見るのはあまりいい気分ではないな。
「あ、尽八!日誌一緒にかこー」
「・・・ああ」
いつも、日誌は二人で書いている。今日もいつも通りに名前1がオレのところにやってきて、当たり前の様に隣に座る。なのに、素っ気なくしてしまう。
「尽八・・・拗ねてる?」
「・・・は?」
「嫉妬って感じはしないし、私と真波くんが仲良くしてるの見て拗ねてるんでしょ?」
「・・・」
バレて、いたのか・・・?そうだとしたら、オレは相当格好悪くないか!?どう返したらいいか分からなくて、暫く沈黙が続いてしまった。
「どーなの?」
「・・・あ、ああそうだ!オレは名前1が真波ばかりに構っているのを見て・・・拗ねていた」
「・・・」
「・・・っ、オレにも構えよ」
やばい。これは流石にガキすぎたか?俯いていた顔を上げて恐る恐る名前1を見た。
「・・・ぷ、あはははっ」
「な・・・!?何笑って、オレは真剣に」
「だって尽八、可愛いんだもん」
「か、可愛い!?」
腹を抱えて笑っている名前1。しまいにはオレの拗ねている姿を可愛いなんて言い出す。
「園児を見ている間は構えないけど、それ以外は構えるよ?尽八の傍に沢山居れるよ?それに・・・」
「それに?」
「私が一番傍にいたいって思ってるのは尽八だよ」
ああ、もう。どうしてこいつはこういう事を、オレが欲しい言葉をくれるのか。
「・・・名前1には敵わんな」
「ん?なにが?」
「明日からは真波に触れられてもそう思って耐えるぞ」
「そうしてください」
明日からは真波や他の園児に構っていても、自慢されても、余裕が、自信持てる気がするな。
「だが、あれだけは許さん!何なんだあれは!名前1のむ、胸に擦り寄るなんてオレでもまだしてないぞ!名前1、オレにも触らせ・・・っぶ!!!」
「あんまり調子乗んなよ」
to be continude
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