ダンッ


「ーー!!!!」


あのスピードの速い影山のボールの速攻が、初めて決まった。


「よしっ!!」

「手に・・・手に当たったー!!」

「はやっ・・・」

「おい!・・・いま日向・・・目ェ瞑ってたぞ・・・」

「「「はァ!?」」」

「あの・・・どういう・・・?」

「ジャンプする瞬間からスイングするまでの間、日向は目を瞑ってた。つまり影山が、ボールをまったく見ていない日向の掌にピンポイントにトスを上げたんだ!!スイングの瞬間に合わせて、寸分の狂いも無く!!」

「はぁ?」

「スッゲーすげー!!なぁなに!?いまのなに!?当たったんだけど手に!!いま!!俺の!!なぁ!?」

「おいお前ェ!!目ェ瞑ってたってなんだァ!?」

「お前がボール見るなって言ったんだろ!?目開けてるとどうしてもボールに目が行くから」

「確かに言ったけど!!」

「でもいまの成功だろ?なにが悪い!」

「それはそうだけど、100パーセント信じるなんかできるか普通!」

「だっていま、信じる以外の方法わかんねーもん!」

「・・・よし、日向のスパイクが決まれば、マークが分散して田中さんも打ちやすくなる」

「おお!」「よっしゃ!」

「俺達には信頼関係なんて微塵もないが、次もボールは俺が持って行く。信じて飛べ」

「・・・うん!」


それから何度も速攻をやっては失敗しては成功して、田中の攻撃もあって田中達のチームは1セットをとった。


ダァンッ


「どうだオラァァアッ!?月島コラァ!?俺と日向潰すっつったろーがァ!?」

「そーだそーだ!」

「やってみろやオラァァ!?」

「みろやおらぁー」

「なんでお前が一番威張ってんの田中ー?」

「え?」

「そーだ!1年のおかげで打ててるくせに!」

「態度でかいぞー!」

「脱ぐなハゲー!」

「汗臭いんだよハゲー!」

「いま普通に悪口混ぜたの誰だコラァ!?」


悪口を言ったので取り敢えず目をそらしておいた。


ピーッ


「第二セットはじめます!」

「いくぞ!!」

「「オッス!!」」


そのあとも、とってはとられを繰り返し超速攻が決まれば喜んだり。楽しそうだなぁ

結局、勝負は田中チームが勝った。


「キャプテン!!!」

「な、なに?」


日向と影山は、澤村先輩に入部届けを渡す。


「・・・清水!あれもう届いてたよな?」

「うん」

「あ、私も手伝います」


ビリッ


「!!うっほー!!!」

「多分サイズ大丈夫だと思うけど、何かあったら言って」

「「あざーッス!」」

「みんな似合ってるね」

「おう、似合ってるぞ」

「うん、似合ってる、似合ってるぞ」


日向は嬉しそうにジャージ姿を見せる。


「これから、烏野バレー部として」

「「「「よろしく!!」」」」

「「オッス!!」」

「おい日向!休んだか?休んだな!もう一回クイックの練習すんぞ!感覚残ってるうちに!」

「おう!」

「田中さん!ボール出しお願いします」

「ゲッ、もう動くのかよ・・・」


ガラガラッ


「組めた!!組めたよー!!」

「ん?」

「練習試合!!相手は県のベスト4!青葉城西高校!」

「青城!?」

「・・・は」

「県ベスト4と練習試合!?」


走って体育館までやってきた武ちゃんの言葉にみんなびっくりしているけど、私が一番驚いている。徹くんが言い出したんだろうけど、バレーの事だから私に会いたいとかそんなんじゃあないと思う。何か他に目的が・・・


「おっ、君らが問題の日向くんと影山くんか。今年からバレー部顧問の武田一鉄です」

「オッス」

「バレーの経験は無いから技術的な指導はできないけど、それ以外のところは全力で頑張るから宜しく」

「オッス!」

「先生!」

「いやァ、あちこち練習試合のお願いに行ってたから全然こっちに顔出せなくて・・・」

「先生!青城なんて強いところとどうやって・・・」

「まさかまた土下座を・・・」

「してないしてない!土下座得意だけど、してないよ今回は。・・・ただ、条件があってね」

「条件?」

「影山くんをセッターとして、フルに出すこと」

「え?」

「なにそれ・・・」

「なんスかそれ?烏野自体は興味ないけど、影山だけは取り敢えず警戒しておきたいって事ッスか?なんスか?舐めてんスか?ぺろぺろッスか?」

「い、いやァ、そういうわけじゃなくて・・・」

「いいじゃないか、こんなチャンスそう無いだろ」

「菅原先輩・・・」

「いいんスかスガさん!?烏野の正セッター、スガさんじゃないッスか!」

「俺は・・・俺は日向と影山のあの攻撃が、4強相手にどのくらい通用するのか見てみたい」

「・・・先生、詳細をお願いします」

「うん、えっとー・・・日程は急なんだけど来週の火曜、放課後の短い時間だから1ゲームだけ。学校のバスで行きます。ホームルーム終わったらすぐ向かうから、予め準備しておいて、遅れないようにね?」

「「「「はい!!」」」」


・・・帰ったら徹くんに電話しよ。



to be continude




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