「「 ふぁあ・・・ 」」

「眠そうだなァ、お前ら」

「!?」


大欠伸をした田中と菅原先輩に声をかける澤村先輩。確かに、二人は凄く眠そう。どうしたんだろう。


「ええ?!そ、そう?勉強のしすぎかなぁ?」

「おおお俺も勉強の・・・」

「お前に限ってそれはないだろ!(小声)」

「ええ!?」


咄嗟に言ったんだろうけど、田中にはありえない発言に菅原先輩が突っ込めば、逆に驚いている。いや本当にありえないよ。どうしちゃったの田中くん。


「失礼します」

「おお、来たか」

「うわ、でか」

「本来一年の入部は来週からだが、土曜日に試合やるから実質的にはそっからって事になるな」

「よろしくお願いします」
「よろしくお願いしまーす」


・・・なんですかね。今年の一年生はマセてるんですかね。生意気そうですね。





ブー ブー


「もしもし」

「燐ちゃん!!なんで最近メール返してくれないのさ」

「あー・・・携帯の調子悪くて」

「なに今の間!?絶対嘘だよね!?」

「ごめん、部活が忙しくて」


携帯が鳴って、出てみれば相手はうるさいうるさい私の彼氏、及川徹でした。・・・まぁ、私もちゃんと好きなんだけどね。


「烏野ばっかりだよね、燐ちゃん」

「いじけたって仕方ないでしょ、私は烏野で徹くんは青葉城西なんだから」

「たまには及川さんのことも応援してよね」

「烏野との試合じゃないときは応援してるよ」

「もう、燐ちゃん大好き!!」

そんなこと言えば、ちょっとウザくなるけど言わなければまたウザくなる。まぁつまりこの人はウザイ。徹くんの幼馴染にはクソ川って呼ばれているけど私の中ではウザ川だ。・・・なんてどうでもいいけど。


「じゃあ私勉強するから切るね」

「燐ちゃんバカなのに勉強するの?勉強したってどうせ・・・」


ブチッ


私は携帯の電源ボタンを押してベットに投げた。まぁ、徹くんの言う通り私はバカで、毎回赤点で・・・ていうか寧ろ自主勉強とかしたことない。


「お風呂入って寝よう・・・」


今日も徹くんはウザかった。





「あの黒髪の子が影山、小柄な子が日向、あの背が高い子が月島、そばかすの子が山口・・・ね」


試合当日、澤村先輩率いる月島、山口チームと田中率いる影山、日向チームに別れて三対三が行われた。


「うぉっしゃァアアアア」


スパイクを決めて一点をとった田中は服を脱いで振り回す。


「田中ウザイ!!」

「田中キモい!!」

「喜び過ぎ!!」

「いちいち脱ぐなー!」


田中に罵声を与えてから、また試合が開始されて日向がスパイクを決め・・・


「高っ!!!」


私も、多分潔子先輩も驚いた。日向が飛ぶ高さに。しかし月島にブロックされて失点してしまう。


「すごいなぁ、日向」


その後も何度も決めようとするが、月島にブロックされて跳ね返され失点。


「影山のサーブも凄いなぁ」


影山のジャンプサーブ・・・誰かに似てる・・・凄いサーブだったが、澤村先輩にとられてしまった。けど、今年の一年生、期待できそう。





ピッ


それから日向と影山で速攻を始める・・・が、タイミングが合わずに触れはしたがそれ以上はうまくいかなかった。


「影山」

「?」

「それじゃあ中学のときと同じだよ・・・あー・・・えっと・・・」

「日向には反射もスピードも、ついでにバネもある。慣れれば早い攻撃だって・・・」

「日向のそのすばしっこさっていう武器、お前のトスが殺しちゃってるんじゃないの?日向には技術も経験もない」

「菅原さん・・・」

「中学で、お前にギリギリ合わせてくれた優秀なプレイヤーとは違う。でも素材はピカイチ」

「えっ、そんなぁ!天才とか大袈裟です!」

「言ってねーよ」

「お前の腕があったらさ、うーんなんつーか、もっと日向の持ち味っていうか才能っていうかそういうのをもっとこう・・・えっと」

「スガさんファイト!!」

「なんかうまいこと使ってやれるんじゃないの!?俺、お前と同じセッターだから去年の試合、お前みてビビったよ。ズバ抜けたセンスとボールコントロール。そんでなにより、敵ブロックの動きを冷静に見極める目と判断力。俺には全部無いもんだ」

「そんな事ないッスよスガさん!!」

「田中、一回聞いとくべ」

「技術があって、やる気もありすぎるくらいあって、なにより周りを見る優れた目を持っているお前に、仲間のことが見えないはずがない」

「俺は!!お前の運動神経が羨ましい!!」

「はぁ!?」

「だから、宝の持ち腐れのお前が腹立たしい」

「はぁ!?」

「それなら、お前の能力、俺が全部使って見せる!!」

「え・・・」

「なんだ!?」

「お前の一番のスピード、一番のジャンプで飛べ!!ボールは俺が持っていく!!」

「持っていくってなに?どういうこと?」

「お前はただ、ブロックのいないところにMAXの速さと高さで飛ぶ、そんで全力スイングだ!俺のトスは見なくていい。ボールには合わせなくていい」

「はぁ!?ボール見なきゃ空ぶるじゃん!!」

「かもな」

「おい!?」

「でも、やってみたい!!」

「・・・分かった」


多分、いまいち理解できていないけど納得した日向、そして今だ理解できない私達。日向達がきちんとコートに戻ったことで試合が再開された。



to be continude

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