帰還
ピッ
ピッ
ピッ
「・・・ん」
規則的になる電子音。
マコトは目が覚めると、そこは病室だった。
口には呼吸器が付けられており、身体中に激痛が走り思わず呻いてしまった。
すると、覗き込むように現れたのは同じ部隊の仲間でマコトを見ると泣きそうな顔で
「マコトさん!起きました?!分かります?!」
「おい松山うるさい!病院だぞ!」
「マカベ3曹、分かるか。」
マカベ3曹・・・久しぶりに聞いた気がする。
「はい・・・分かりますが・・・全身がめちゃくちゃ痛いです」
「覚えてないのか?あの時雷が目の前で落ちて、山道から転がり落ちて死んだと思ったらギリギリ生きてたんだ。とっさに首を守ってたらしくてな、脚の骨折やら肋骨の骨折やら。・・・まあ、首の骨が折れなくてよかった」
隊長の言葉にマコトは納得すると、思わず涙が出た。
隊員がそれを見ると全員慌て始め
「そ、そんな痛い?!」
「そりゃそうでしょ骨折れまくってんですから!ねぇマコトさん!」
「いや・・・なんか、凄い長い夢を見たって言うか・・・久しぶりに日本語聞いたわ・・・」
そう言うと隊長は
「脳のMRI撮ってもらうか・・・?」
と真剣に聞いてきた。
数日後、呼吸器も外れマコトは身体中を固定されての暇な生活だった。
医者がもう移動させても大丈夫でしょう・・・と許可が降りると運ばれてきた病院から、駐屯地内の病院へと移されたマコト。
飛ばされた日から何故か時は止まっていたようで、マコトはまた25歳に戻ってしまっていた。夢だったのか?と思ったが指輪やネックレスが手元にあるので実際に起きた事なのだろう。
マコトは胸に下げられたカーネリアンのネックレスとチェーンに通された指輪を撫でると窓の外を眺めながら
「・・・リヴァイさん」