ギシ、とリヴァイはベッドに片膝をついて、座った少女の肩をトンと押すと少女はぽすん、とシーツに仰向けになった。
少女の顔は緊張が含まれておりリヴァイを見上げる。
幼い顔・・・そして大きな瞳の奥にはリヴァイ自身が映っておりゆっくりと瞬きをすると
「・・・やるぞ」
「・・・は、はい」
「言っておくが、痛くてもビービー泣くなよ。 ・・・処女はめんどくせぇ」
「・・・はい」
痛みを伴うのか、少女の顔は強ばると目を閉じる。
リヴァイは極力優しく頭を撫でてやると耳元で
「俺だけ気持ちよくなるのは気に入らねぇタチでな。 大丈夫だ。なるべく優しく、気持ちよくさせてやる」
その気持ちよくなる快感を知らない少女は小さく頷くと、リヴァイはその若く弾力のある肌に舌を這わせた。
マコトがこのようになったのは、早朝の出来事である。
シガンシナ区の壁が破られ、トロスト区まで後退させられた。母親は食べられ父親は行方不明・・・弟たちを食べさせるためにマコトは開拓地に回されたが毎日パンを食べられるか食べられないかの瀬戸際だった。
育ち盛りの弟達に食べさせなければ、とマコトはさりげなくパンを多めに弟達に与えていた。
自分も周りの若者のように訓練兵団へ・・・と思ったが可愛い弟たちを置いていくわけにはいかない。自分が居なくなったら誰が食べさせてやれるのか。
家族は、自分しか居ないのだたから。
ある日、開拓地に居る駐屯兵の話を小耳に挟んだ。
どうやら仕事がない若い女は娼館で働いたり、憲兵や駐屯兵に迫って身体を買ってもらっているそうだ。
それを聞いたマコトは自身の身体を見た。
まだ15になったばかりのマコト。身体の発育はある程度発達したはずだ。
「(・・・やるしかない)」
マコトはゴクリと喉を鳴らすと弟たちが寝静まった隙に抜け出して身体を綺麗にすると夜の街へ飛び出した。
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・・・リヴァイは1人で行きつけの酒場で静かに飲み、兵舎へ帰る途中だった。たまたま余裕が出来た憩いの時間だ。
店を出て角を曲がりしばらく歩いていると壁に寄りかかった少女が居り、リヴァイの視線は嫌でもそこへ行った。
こんな夜更けに子供が1人・・・リヴァイは眉を顰めた。
見た目は10代の少女。身体は痩せて、ワンピースを着ている。
「・・・・・・」
その少女の表情を見ると昔の自分を思い出して思わず
「・・・おい、ガキがこんな時間になにしてやがる」
「っ!」
顔を上げると、幼いが整った顔だった。
焦げ茶色の髪の毛に大きな瞳・・・そして白い肌。
その大きな瞳は涙目で揺れるとリヴァイの前に立ち頭を下げると
「あのっ・・・・・・私の身体、買ってください!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・あぁ?」
たっぷりと沈黙の後、リヴァイはそれしか言葉が出なかった。
***
連れていかれた宿屋は高級で、椅子に座ったマコトは部屋を見渡していた。
そして、テーブルに置かれた沢山の料理。
「(なんでこうなってんだよ・・・)」
リヴァイは小さくため息をついて脚を組むと椅子の肘掛で頬杖をつき、少女を睨めば
「・・・ほら、食え」
昔・・・ある男にも同じような事をされた。
何故か少女の顔を見た瞬間宿屋へ引きずり込み、それを真似てしまったのだ。
それでも手を付けない少女に心の中で舌打ちをすると
「・・・お前、家は」
「ありません」
「家族は」
「母は、巨人に食べられ・・・父は行方不明。弟と・・・妹が居ます。あと幼なじみ」
「・・・身体を売って、その金で弟達に食わせようってか」
「はい・・・」
リヴァイはため息を着くと
「・・・そんな金で食わされて、弟たちが知ったら喜ばんだろう」
「弟たちは、育ち盛りで・・・少しでも大きくなって欲しいので・・・」
涙ながらにそう言う。
「とにかく、まずは食べる事だ。食わなきゃ何も出来ねぇ」
「はい・・・いただきます」
作法はしっかりしておるようで、ひとくち口に含むと一気に食べ始めた。
「・・・うっ、ふっ・・・ううっ」
「泣きながら食うなよ」
「ごめんなさい・・・お母さんが作ってくれたご飯、思い出して・・・」
手料理なぞ、久しぶりなのだろう。
それ以上リヴァイは何も言わずシャワーを浴びてくると一言言うと椅子から立ち上がった。
シャワーを浴びている隙に逃げると思ったがマコトは行儀よく頭を下げてきた。顔色は幾分か良くなっており食べたせいか頬が赤くなっている。そしてマコトもシャワーを浴びさせバスローブを羽織ってベッドに座るとマコトの肩を押し倒してベッドに沈めた。