至りて凛然たる辺獄



ブルーロック管制室。幾多のモニターのブルーライトを顔面に浴びながら思考を続ける絵心甚八。その背後で興奮を隠す気もない帝襟アンリが感嘆の溜息を吐いた。


「ガビ・ブラウくん、圧巻ですね……!」


ここにいる二人は青原ガビが偽名であることを知っている。なにせ絵心が青原の名付け親だ。『お兄さんが青薔薇好きそうだし、“あおばら”でいんじゃね?』という5秒で考えた適当すぎる当て字に秒で頷いたガビ・ブラウ。帝襟だけが情けない悲鳴を上げた、そんな初対面。

あれからもうすぐ一ヶ月経つ。


「一次選考前半では蟻生十兵衛くんのハットトリックを始めとした他選手のアシストに徹して、かと思えば一試合に一人で10点決めちゃう超攻撃型ストライカー! 一人で10点!? えっぐ! 得点もアシストもお手の物なんて、まさに1チームに1ガビくん! 据え置きで欲しい! さっすが欧州リーグ優勝争い常連バスタード・ミュンヘンの下部組織に所属しているだけありますね!」
「……マジで言ってるのアンリちゃん?」
「もっちろん! 私ファンになっちゃって、ドイツのファッション誌私用のアイパッドにダウンロードしたんですよ!」
「仕事しろ大人」
「プライベートな時間に決まってるじゃないですかぁ!」
「当たり前だよ」


絵心の人差し指がデスクをトンと叩く。

そういえばゴールボーナスで一日外出券を行使して髪をバッサリ切ったことについてぶつぶつ言っていたな。絵心からしたら髪を切ろうが切るまいが心底どうでもよかった。中身が変わっていないのなら見た目でケジメを付けられたところで犬の餌にもならない。


「これが日本サッカーをW杯優勝に導くためのプロジェクトだとお忘れかな?」
「………………あ゛っ」


外国人にシュートをバカスカ撃たれてゴールを奪われる。そのフェーズはまだまだ先のつもりだったんだが?

途端に気まずそうに手遊びをする帝襟。絵心は気にせずタブレットをすーいすい。映し出されているのは帝襟がまとめたデータの群れ。全身に張り付くボディスーツは選手たちの身体能力はもちろん、成長スピードもすべて丸裸にする。

ガビ・ブラウはドイツから偵察のために収監された外国人。美しい金の髪に目が覚めるような青い瞳。作り物めいた白い顔の中で、赤い唇は薔薇を食んだようにじわりと蠱惑的。感情などない人形ですと言わんばかりの淡々とした態度を初対面から今日まで貫き通している。

本国ではモデルとして活動していたからか、ボディスーツを着用した彼は遠近感が狂ったバグのような細長いスタイルであり、筋肉はうっすらついているものの、この場にいる誰よりも頼りなく弱っちそう。端的に言ってモヤシだった。

しかし体力テストを終えて見ればあら不思議。全項目が平均以上の数値を叩き出し、結果はチームZのトップ。どころかブルーロック全体の10%の上澄みに余裕で食い込んだ。表面よりも内面、インナーマッスルがこれ以上ないほど恐ろしく鍛えられている。究極的に見た目にこだわったとんでもない隠れマッチョくんだったのである。伸びしろがいつでも伸ばし放題の状態でよくぞ食べごろキープできていたものだ。

何より帝襟を震撼させ、絵心を閉口させたのが、そのバランス。

左右の足の筋肉量、キック精度、体重による加重、可動域、エトセトラエトセトラ。──すべての誤差が0.005%未満。

どちらで蹴っても同じ精度と威力を発揮する特異体質、“完全な両利き”。

「左右差ゼロって。モデルは骨盤のゆがみを許さないですもんねぇ」「それでこの数値ならサッカー選手はみんな整骨院通いがマストになっちゃうよ」「えっ? ……あっはは、ですねぇ」冗談じゃなかったっぽいのが恐ろしいなこの小娘。

流石に居た堪れなくなった帝襟がわざとらしく退室し、絵心は心置きなくキーボードを痛めつける作業に戻った。骨盤矯正に日々通っているサイボーグが頭の片隅にチラつく最悪な事態をどうにかしたかったとも言う。

今考えるべきはこの招かれざる才能の原石をどのように削り磨いていくか。とうとうカッティングの時を迎えてしまったのだ。


「ノエル・ノアの後継、ねぇ」


そういう触れ込みがバスタード・ミュンヘンのコーチ陣を中心にじわじわと他クラブまで広がっているらしい、という情報は一応キャッチしている。

ノエル・ノアは今年で31歳になる。欧州リーグのトッププレイヤーだろうが寄る年波には勝てない。どんなに体を鍛え続けたとしても四十。三十代後半でもよくもった方。ノアの選手として残された時間は十年もない。

バスタード・ミュンヘンはノエル・ノアに変わる逸材を求めている。それが新世代世界11傑に選出された皇帝ミヒャエル・カイザーであることは明らかだが、もう一手。確実に“ノエル・ノアの代わり”になり得る存在が、この監獄の中に収容されている。

絵心の掌中に、ころころと無防備に転がっている。

二次選考にはワイルドカードが隠されている。今まで生きてきたサッカー人生を跡形もなく粉々にし、空っぽになった器にノエル・ノアのプレイスタイルと哲学を無理やり注ぎ込むシステム。世界一のストライカーを作るなら現世界一のストライカーのクローンを作ってしまえばいい、などという脳死舐めプ育成ゲームを絵心は思いついても実行しようとは思わなかった。あくまで、あのエゴイストに適合できる者なら掬い上げる価値がある、というだけの敗者復活ステージだ。

始め、絵心はそこにガビ・ブラウを突っ込む算段だった。脱落すれば良し、即刻余所者ドイツ人を国外追放できるオマケ付き。これで世は事もなし。

けれど、あの一件。

何事も無感動でゴールへのハングリーもライバルへの興味もなく、ただやるべきことをやるだけ。できる曲芸を披露しているサーカスのライオンが、野生の渇望を覚醒させた一瞬。パスを寄こさない味方への強烈なプレッシャーと、今までのお綺麗なフォームを崩しゴールネットに入れることだけを考えたデタラメなシュート。


あれはエゴだ。

ガビ・ブラウにエゴが生まれようとしている。


絵心甚八が世界一のストライカーを作る上で欠かすことができない最低にして絶対条件。エゴを育てるこの監獄で、卵の殻を蹴るヒヨコの産声をどうして無視することができようか。

ノエル・ノアの後継? 新世代世界11傑の弟? 片腹痛い。

もっと上の悪趣味でイカした新しい怪物にしてやらなきゃ。こんな辺鄙なアジアの島国まで頼んでもないのにご足労しくさった甲斐がないだろう。



「俺に預けたことを後悔するんだな。ノエル・ノア」



最後まで後回しにしていた青原ガビのトレーニングルームに“設定”を反映させる。

暖かい寝床も、餌も用意してやった。他の選手と同じ土俵を与えてやるんだ。余所者相手にしては高待遇だろう。これ以上ないほどの環境で知らぬ存ぜぬを貫き通せるほど、本当のお前は無欲じゃないだろう?


さあ、殻を蹴破れエゴイスト。



「しっかしいつまで走ってるんだこのドイツ人」


限界まで絞ってやってるのに自主的に元気いっぱい筋トレして走るドイツ人。オーバーワークになるギリギリで切り上げてストレッチと瞑想に行くあたり本当に小憎たらしい。何度かアナウンスを入れようとしたタイミングで切り上げるので、スイッチを入れて満足に発言できずに切る動作を三回繰り返した。あの時の奇妙な生き物を見る目が本当にムカつくのなんのって。なんならオーバーワークの「オッ」で切り上げやがるせいであのチームZでの絵心の陰口はオットセイである。

はぁーーーー、ッとによぉ……。



「………………うん」



やっぱ嫌いだわガビ・ブラウ。




***




チームが違う選手同士でもフィールドを使った練習はできるとのことだったので、最終試合が終わった次の日にゆっきーと1on1の約束をさせられたガビ。しかし翌日から体力育成以外の練習を禁止されボールもすべて回収されたためあえなくおじゃんとなった。


「しょうがないよね。上からのお達しだから」
「おたっしー?」
「メッセージの上位オシャ語だ」
「じょーいオシャ」
「余計に混乱しないかいそれ」
「おたっしー、わかた」
「ああガビくん、お達しね、おたっし」
「おたっし」
「うん、very well」


体力育成はそれぞれのノルマと力量によってトレーニングの終了時間が変わって来る。そもそも夕食を取る気力をひねり出すのが難題であるため、食堂は当初と比べて静かで閑散としていた。

もともとフィジカルに自信アリオシャアンドリューと体力オバケガビはチームZ内ではかなり早くノルマを終える。それでも以前と比べれば食事の時間はやや遅くなっているが。レバニラ炒めとカレーをそれぞれ半分ずつ移動させてから食べ始めることしばらく、げっそりとしたゆっきーがトレイを持って近寄って来た。今度はちゃんと夕食がホカホカと湯気を立てている。

「一緒に食べてもいいかな?」断られるわけがないと言わんばかりのふてぶてしさを穏やかな笑顔でラッピングするゆっきー。特に気にせずガビは頷き、アンドリューも手のひらを差し出すように席を示した。オシャわりよ。違った。お座りよ。

というわけで連日一緒に飯を囲めばそれなりの仲になるもので。


「そういえば、アビバスもデューマもドイツだったね」
「創業者が兄弟なんだったか。どちらも独立して成功させるとはウルトラオシャ」
「蟻生くんは何派?」
「デューマだ。雪宮は?」
「ワイキだよ。ジャージも揃えてる。ガビくんは?」
「Abibas」
「お、地元。綺麗に分かれたね俺たち」
「だな、三者三オシャだ」
「他にもなにかあったかな。……あ、ジルチャンダーもドイツか。一つくらいあそこのジャケット持っておきたいんだよね」
「ああ、分かるぞ雪宮。“俺”もいつか海外ブランドで一式そろえてみたい」
「Jil? おうち、formal、いっこある」
「マジか」
「すっご。10万余裕で飛んだでしょ?」
「もらいもの」
「さてはお前ナチュラル金持ちオシャだな?」
「んーん?」


シンプルに話題がオシャ。サッカーやるための監獄でまわりがグロッキーになりながら飯を詰め込んでいる中していい話じゃない。

地獄に咲いた花、ならぬ、監獄で湧いたオシャワールド。この伍号棟にはカオスがある。

とまあそんな感じで10日間。途中途中でゆっきーが目に見えてグロッキーになったりアンドリューが剥げかけのマニキュアに発狂してマジックを取り出したりもしたが、ガビはいつも通り粛々と、それでいて確実に自分の筋肉量を増やす作業に没頭した。

今までセーブした分を取り戻すために、全身の筋肉をバランスよく。

モデル業のために鍛えられなかった脚は特に労わりながら、程よく痛め程よく休め程よく伸ばして程よく圧して。もう二度と肉離れの心配なんかできないように、徹底的に鍛えあげていく。

裸足で施設を歩くという日常生活も足の指の握力強化に繋がった。床を直に踏みしめる行為の反芻は、スパイク越しに人工芝を踏みしめる力を増強する。日本の裸足文化も馬鹿にはできない。帰ったら自分の部屋だけでも靴を脱ごうかと思考がドイツに飛んだ。

帰ったら。

どこに? ミヒャエルと住んでいる家に。

ミヒャエルは、自分がいなくなっても大丈夫だろうか。

あのアパートはバスタード・ミュンヘンの寮から程近い。ネスが毎朝迎えに来ているので日常生活は寂しくはないだろう。チームではミヒャエル・カイザーを中心として絶対の帝政が布かれている。臣下が一人いなくなったところで崩れるほど脆い牙城ではない。何より、試合終わりのガビの手入れ時間が減って自分の時間を持てる。家事を一人でやらなければならないのは大変かもしれないが、自分にも厳しいミヒャエルならば手を抜かずにやり切ってしまうはず。……ガビがいなくなったところで、心配する必要は何もない。


ガビ・ブラウはミヒャエル・カイザーの物語に添えられる薔薇だ。


添え物がなくなっても、カイザーその人がいれば物語は続いていく。いたらいたで綺麗だろうけれど、きっとそれだけ。

それだけであろうと、ガブリエルは考えていたのに。

『ミヒャエルが、自分で決めろと言う』
『お前を認めていないからだ』
『ミヒャエルのために働くつもり。でもダメだって』
『他人のためのサッカーなんぞ反吐が出る』

『どうやったら、お前は幸せになるんだ? アァ!?』


『……、おまえ…………、そんなこともわからないのか?』


このままじゃいけない、とは。

こういうことでいいのだろうか。

一瞬、レッグプレス中の脚が止まる。本当に一瞬のことで、すぐに反復動作に戻ったけれど。

ガビだって悩むことはある。ただ他のことより優先順位が低くて、少し持続時間が短すぎるだけで、喜怒哀楽は最低限持ち合わせてはいるのだ。

今はただ、ノエル・ノアが出した命令を遵守することに集中する。絵心の指示に従う。三食きっちり取る。一日7時間睡眠。体重10kg増量。コミュニケーションを積極的に取る。それから、それから……。

もうスキニーは美しく履けないだろう大腿筋、脹脛、大臀筋。流れる汗をそのままに、金属音だけがトレーニングルームに響き続ける。想定よりややオーバーワークになってしまい、立ち上がると同時に絵心のアナウンスが「オッ」と降って来た。


相変わらず斬新な注意喚起だなあ。




***




Bis nachherまた後で.」
「は、」


ちょっと進んでから忘れ物を思い出したガビは、振り返ってアンドリューの前に近寄っていく。軽やかな足取りそのままの勢いでそっと抱きしめ、背伸びしてアンドリューの横に頬を寄せた。あくまで触れずに寄せるだけ。耳の横で小鳥の囀りのようなリップ音を聞かせる。何故だか相手の方はしてくれなかったが、気にせずもう反対にも頬を寄せてチュッと。


「ともだち、あいさつ」


長い黒髪の下で固まったアンドリューが不思議で、遅まきながら「あれっ?」となったガビ。追加で補足をしても動かないので、日本語でも挨拶してやることにした。


「じゃーね、アンドリュー」


手を振ると、ようやくぎこちない反応で手が上がった。満足したガビは、やっぱり軽い足取りで二次選考1stステージの入り口に入って行った。

現場は糸師凛が軌道の違う二つのボールを当てて相殺するウォーミングアップ真っ最中。皆が宙を見上げていて、ガビのドイツ人ムーブに翻弄されたアンドリューなんて誰も見ていなかった。

これが青原ガビが周りの空気を読まずに二次選考に一番乗りした一部始終である。


「不意打ちはノットオシャ……」









二次選考2ndステージ待機室。


「こにちわ。おれ、あおばら、」
「《お前、バスタード・ミュンヘンのミヒャエル・カイザーの弟だろ》」


6cm上から顔の角度はそのままに目だけでガビを捉えた男。ガビ渾身の友好的な挨拶を遮って放たれたのは、日本人にしては流暢な英語による的確な看破であった。

ひとりぼっちの部屋。モニターに浮かぶ文字。ギリギリ解読できた“3人1”と“チーム”でぼんやり課題も内容を察しながら待つガビ。背後からやって来た気配には扉が開く前に気付いていたので、のんびり振り返って向かい合うように挨拶したつもりがコレである。

黒髪の男。アンドリューほどではないものの日本人にしては長身で、長い前髪の隙間から覗く鋭いターコイズブルーが印象的。妙な既視感が一瞬過ぎるが、今は重要ではないだろう。

肩あたりの金髪ボブを揺らし、ちっとも動かない表情筋のまま、いっそふてぶてしいまでの無垢さでもってガビはしらばっくれることにした。


「《私はあおばらガビ。最近日本に帰化したドイツ人。カイザーという選手とは関係ない》」
「《お前、どっちかの親か祖父母が日本人なのか?》」
「《祖父が日本人》」


大昔バーで相席した日本人とめちゃくちゃ気が合ったからわし日本人かもしらんみたいなこと言ってた。


「《そのジジイは日本生まれか?》」
「《ドイツ生まれ》」
「《親か祖父母が日本で生まれた場合、血縁がある子供なら日本代表になる可能性があるが、海外で生まれた場合は別だ。日本人の血が入ってない外国人と同じ条件になる。外人は日本に5年以上住まないと帰化できないんだよ。観光がてらやって来たドイツ人が簡単に国籍変えられるかよ。騙すならPIFAの規定調べてから騙せ詐欺師》」


そうだったのか。

秒で言い負かされ、薔薇色の唇をキュッと閉ざしたガビ。チラと監視カメラに視線をやるが絵心は無反応だった。なら、これも想定の範囲内なのだろう。ようは言質を取られなければ良いのだ。

瞬時に否定も肯定もせず黙秘を選択したガビ。小賢しさたっぷりのそれは、相手の苛立ちに油を注ぐ行為でしかなかったらしい。


「《兄貴に寄生するしか能がない害虫野郎が。こんなところまで何しに来やがった》」


長い前髪の隙間からクッキリ谷を作る眉間が見えた。嫌に長い下まつげが目元の筋肉と同調してヒクッと動く様も。


「《サッカーしに来た》」


けれどガビはマイペースを崩さず、聞かれたことに素直に答えた。


「《サッカーなんざ寄生宿主に媚び売っときゃいくらでもできんだろ。兄貴の食べかけじゃ満足できなくなったか? 残飯処理野郎にやるゴールはねぇよ》」
「《? 言いたいことが分からない。食事は間に合っている》」
「《お呼びじゃないっつってんだ害虫》」
「《私は人間》」
「《ふざけろ。お前が人間なら俺は神だ》」
「《……新興宗教の人?》」
「《なわけねぇだろ脳みそも虫サイズか?》」
「《私が虫に見えるのはおかしい。幻覚が見えている? 一度精神科にかかった方が》」
「《ぬりぃポジションで甘んじてる根性がイカレてんだよ。お前が病院行け》」
「《なぜ?》」


すごい。ここに来て一番会話が続いているのに一番コミュニケーションが取れていない。

自分はちゃんと英語を話せているのだろうか。ガビは珍しく不安な気持ちになった。それもやっぱり瞬き一つでどこかへ行ったけれど。

こうも相互理解が進まないとなると、本気で面識がある可能性が浮上する。

リマインド。ガビはサッカーの試合中は主にボールしか見ていない。気配で人の居場所は見なくとも分かるのだから、その分をボールへの注視に当ててしまうのは必定であろう。つまり、一度会っていたとしても顔を覚えていないことはよくあること。知らない人間に絡まれてガン無視し『さっきの試合でブラウがシュートを潰したFWですよ』とネスが指摘して初めて『そうだったかも』となる。ぶっちゃけ番号で言ってくれた方が早い。

そんなわけで速攻で思い出すことを放棄したガビ。ドイツ国内でプレイしていた選手か、あるいは欧州リーグの他の下部組織との遠征でマッチングしたのか、などなど。いくつかのチームをピックアップし、アジア系の選手をデータとして抽出する。そうして絞り出したのは兄と並べて語られることがある日本人の名前だった。



「《糸師冴?》」

「──────は?」



完璧に、真上から、ドスンッと、
地雷を踏んづけた。


「《なぜここにいる? レ・アールはどうした》」
「………………」
「《MFだと記憶しているが、FWに転向するの?》」
「…………っ!」
「《あなたのプレイは覚えていないけれど、すごいのは聞いてるよ》」
「…………………………らに、」
「《私はSBの次にMFをやることが多くて、》……んぅ?」


突然、ガビの胸倉に掴みかかった相手。つるつるのボディスーツに容赦なく爪を立てベルトに引っかけるように指を差し込み乱暴に引き寄せる。ブチッと嫌な音が聞こえてきたが、ガビは慌てず騒がず体重移動により重心を固定し、床にしかと足をくっつけた状態で男を見上げた。


欧州リーグおまえらにとって、糸師冴は顔も知らないくらいの、その程度の興味ってことかよ……!!」


急な日本語と共に寄せられた顔。目元の筋が視覚できるほどに盛り上がり、ターコイズブルーの瞳をグラグラと煮え立たせて。半開きの口からはギリリと歯軋りの音が漏れていた。


「《物見遊山で日本に来たことを後悔させてやる》」


掴んでいた胸倉を離され、ドンッと肩を押されたが、ガビはやっぱりビクともしない。それを見て取った相手から盛大な舌打ちを浴びせかけられた。

なんだかとても怒っている。曇ったブルーアイをちょっと丸めたガビ。どうやら誤解があるらしい。


「《観光じゃない。勉強。私もFWの心構えを学びにきた》」
「……あァ?」


ガビは、確かに地雷を踏んづけた。

しかし地雷とは踏んで離した瞬間に爆発するものであり、ずっと踏み続ければ爆発しない。


「《私にはサッカーを続ける資格がないと言われた。兄の命令を聞いてるだけではサッカーをしてはいけないらしい。ここでストライカーになれば分かると聞く。糸師冴は、それがなんだか分かるか?》」


地雷に全体重をかけたまま。ひとつひとつ指を折って数を数えるように伝えたいことを口にする。

言葉を重ねるごとに、ゆっくりと相手の表情から力が抜けていく。最後には浮いている血管一つなくなり、心底不可解ですと言わんばかりに片眉を上げた表情でストップした。


「《俺は……糸師冴じゃ、ねーよ》」


最終的にひねり出されたのは(ガビ的に)衝撃の事実で。

意思疎通不可の罵倒でも胸倉掴まれたガン付けでも動じなかったガビが、ここにきてようやっと表情らしい表情を浮かべた。


「《だれ?》」


困惑だ。


「《糸師凛だ。覚えとけ蒙昧》」
「《リィン? 糸師冴の兄?》」
「マジで言ってんのか」
「《違うの? だれ?》」
「お前……チッ」


日本語混じりの方が英語オンリーの会話より意思疎通が取れている気がする。本当に不思議な男だが、なんらかの思考の末にリィンが落ち着いたことをガビは察した。

たぶん落ち着いたんじゃなく諦められたのだと説明してくれる親切な人間はいない。

ウザったそうに長い前髪をかき上げ、露わになったターコイズブルーで静かに見下ろしてくるリィン。突き放したような態度とは裏腹に、聞き分けのない子供を言い負かすような億劫さが滲んでいた。


「《無知なお前のために一度だけ教えてやる。サッカーは兄貴をぶっ潰すための道具だ。誰かのためにするもんじゃねぇよ》」
「《なるほど…………ん?》」


初めて建設的な意見が聞けたな、と思ったのは一瞬。


「《兄を、潰す?》」
「《完膚なきまでに、粉々に。ハナからアイツに掴まれる栄光なんざ存在しなかったと分からせてやる》」


あまりに突飛で予想外なアドバイスだった。

それでは一緒にサッカーできないのでは?

ブルーアイをパチパチ瞬かせるガビ。リィンは至極当然の態度で腰に右手を当ててふんぞり返っている。ガビがおかしいと思うことこそがおかしいと言わんばかりだ。

潰す。つぶす、つぶす…………?

その時、ガビの脳裏に駆け巡る今までの兄の試合内容。

暴力的につっかかってきた男が、巧妙にマウンティングしてきた男が、指導を付けようと提案した男が、最後にはフィールドの芝に額をこすりつけて咽ぶヴィジョン。それを見下ろすミヒャエルの嫣然を。


『スパースター気取りが抜けていないようだ。良いぞ、俺自ら丁寧に潰してやろう』

『今日の相手はずいぶんと潰し甲斐のない雑魚だったなァ』

『潰れた潰れた。ハハッ、いい見世物になってくれたものだ』

『潰れろド三流』


もしかして、サッカーとはそういうスポーツなのか?

ガビのスポーツ経験は、格闘技を除けば前世でやったドッジボールだけだった。ガードをミスれば文字通り体がふっ飛ぶデッドオアアライブの殺人球技であるが、ちゃんとルールの元で行われた列記とした団体競技だ。

団体競技の神髄とは、チームプレイの名の元に相手選手を潰す暴力性が必要不可欠だったのか。

ガビの脳天に稲妻が落ちる。それが本当なら、今までガビがしてきたサッカーはサッカーではなかったことになる。だって相手を潰していない。そんな気概は一切なかったから。ミヒャエルから何も命令されなかったから。……だからって何もしなくていい理由にはならない。

ガビとて命令されないと動かないような完全マニュアル人間ではない。しかしこれは、この盲点は、あれだけ目をかけられていた兄に突き放されてもおかしくはない大事件だった。

そうか、サッカーってそういうスポーツなのか。

とんでもない劇物がストンと胃の腑に落ちてしまったガビ。最近ちょっとゴツくなった白い手をリィンに向かってゆっくりと差し出す。


「《ありがとうリィン》」
「は?」
「《とても参考になった。ここに来て良かった》」
「《急になんだ。気持ち悪ぃ》」
「《私は、兄とは違かったんだな》」


サッカーの仕方がそもそも違かったのだと。

一人で考えていては分からなかった。兄のそばにいても分からなかった。離れてみて初めて分かることがあるのだと、身をもって知れた貴重な体験だった。



「《ありがとう、リィン》」



新たに得た気付きに珍しく興奮して、聖堂の天使像の如く硬質な表情が柔らかくほぐれてゆく。真っ白い頬には淡いピンク色が差し、薔薇色の唇はゆるりと弧を描く。ブルーアイにかかった雲が風に流されて逃げていき、ぷっくりと盛り上がった涙袋が金色のまつげを美しく際立たせる。

まさしく、物が命を得た奇跡。

苛立ち混じりだったリィンがピシッと固まる。天使像が命を得た代わりに、美しい魔物に魅入られた人間が魂を抜かれたみたいに。人の、それも男の微笑みを呆然と見下ろすなんてことは、初めての経験でしかなく。



「“俺”、完遂」



二次選考1stステージを終えたオシャタイミング・アンドリューの登場まで、待機室は弟二人がジッと見つめ合う異様な空気で満たされていた。



「おい糸師凛。お前がガビと組まないというなら“俺”も組まない」
「うるせぇコイツと組むくらいなら最下位の雑魚と組んだ方がマシだ」
「お前、ガビの実力を舐めすぎだぞ」
「お前こそコイツの何を知ってるんだ」
「“俺”は二週間コイツと同じチームで組んだ。何より、ガビは“俺”が認めるベストオシャ友だ」
「友? はッ、くだらねぇ」


そして口論に発展した。

脱力した形で棒立ちのガビと、途中から入って来たおどおどした筋肉質な男。ガビが「こにちわ」と挨拶すると、「ひぇっ、外国人に話しかけられちゃった! あの、お、ないすちゅみーちゅー?」「Nice to meet you, too.」「ネイティブだぁ! こわぁい!」と距離を取られてしまった。


「おいそこの筋肉」
「ひゃぁいっ!?」
「俺とそこの間抜けヅラ、どっちを選ぶ」
「えら、選んでいいの!? 俺が!?」


「怖い人はいやだなぁ。でも外国の人と意思疎通って大変そぉ。どーしよぉ」ブツブツ言っているうちに大股で近寄って来たリィンによる「サッサと選べ」の圧でサッとリィンに決めてしまった。


「こんなところで時間を無駄にする気はねぇ。お前もサッサとこっちに来い」
「話を聞かない男はオシャじゃないぞ糸師凛。“俺”はガビと組むと決めているんだ」


また始まりかけた口論。それを止めたのはアンドリューの肩に手を置いたガビだった。


「アンドリュー」
「なんだガビ」
「ひとり、challenge、すること、ある」
「……なんだと?」
「アンドリュー、いっしょちがう、よい」
「……ガビは、“俺”と一緒じゃなくてもいいのか」
「アンドリュー。はなれる、して。おれ、ずとともだち」


無表情のまま掲げられた右の拳。見上げてくるブルーアイはどことなく澄み渡った青空のようにきらめいていて、この二週間で見たことがない類の決意というものをアンドリューに伝える。ガビに真っ直ぐ言われてしまうと、さっきまでリィンに怒っていたアンドリューがどんどん冷静になっていくのが分かった。


「“俺”がいなくても必ず突破しろよ」
「もちろん」
「また会おう、ガビ」
「うん」


そこで、ガビの右拳を握り込んだアンドリューが急に屈んだ。

かと思えば、ガビの頬に黒髪を挟んで冷たい頬がくっつく。「ちゅっ」「んぇ」「な、なななにぃッ!?」ガビの鳴き声と筋肉男の悲鳴が重なる。そのままアンドリューは逆側の頬に同じようにぴっとりくっつけて、また「ちゅっ」と。ちなみにリップ音ではなくアンドリューの口頭である。


「さっきのおかえしだ。“俺”も不意打ちで返さねばと思ってな。これもまた清く美しい友情のオシャだろう?」


ふふんと得意げな顔をしたアンドリュー。そのまま背を向けて手を振るので、とりあえずガビはお決まりの言葉でお別れの挨拶を済ませることにした。


「アンドリュー、ナイスオシャ」
「フッ、オフコースオシャ」
「じゃーねー」


自動ドアの向こうに消えていく三人組。

ガビ&アンドリューのコンビは、最後まで、リィンと筋肉男から不気味なものを見る目を向けられ続けた。




***




ガブリエルは天才ではない。

シュートも、パスも、ドリブルも、カットも、ポジショニングも、ハンドリングも、他の何事も、得意な物は何一つとしてない。なんせこの身一つが最強の武器である人間だったので、ボール一個を操ってゴールを奪い合うスポーツというものは全くの門外漢。得意という認識がそもそも持てず、何事もバランスよく平均以上を伸ばしに伸ばし続けた。その方が性に合っていたとも言う。

皆が有難がる“両利き”だって前世で無理やり矯正したものだ。生まれ直した瞬間から矯正されたまま育てば、そりゃあ天性の両利きと言えるかもしれないが。やはり純粋な才能とは違うだろう。

唯一特出している能力は努力することかもしれない。しかし、努力の天才かと聞かれれば、残念ながら肯定できない。

やらなければ死ぬ。
できなければ死ぬ。
成さねば死ぬ。

両親と祖父の過保護な愛の元、死の瀬戸際で足掻くことを強いられる環境。その先で獲得したスキルは、果たして才能だろうか。

その努力は天性のギフトであると本当に言えるだろうか。

ガブリエルは天才ではない。言われるがまま、望まれるがまま死ぬまで努力し続けた、価値基準が狂っているだけのただの凡人だ。

二次選考1stステージを突破してすぐの場所に用意された2ndステージ待機室。青原ガビが無人のそこに足を踏み入れたのは、本来ブルーロックで不動のNo.1として君臨するはずだった糸師凛よりほんの二分ほど早く────。


凡人が天才に勝る。


この偉業を、想定外のバグを、予定調和の綻びを、物語の中の人物は誰一人として知覚できない。ゆえに、この結果は誤った認識のまま数字として記録されてしまう。


青原ガビは糸師凛より優れた天才である、と。



「お前、ナンバーワンだったのか?」
「うん」
「とんでもないパートナーを選んでしまったな」
「イヤ、だた?」
「ノー。むしろいい買い物をした」
「かいもの……shopping?」
「お前と組めて嬉しいということだ」


急に変化した二の腕のランクの数字。新ブルーロックランキングにおいて堂々1位の称号を獲得した青原ガビは、5位の男の隣で相変わらず脱力して立っていた。

ぐるんと向けられる不躾な視線、視線、視線。


「これから三人目を選びたい放題バイキングだが、なにか希望はあるか?」
「Viking?」
「……バイキングって英語じゃ別の意味か」
「ん、むかしのひと」
「ザックリした解説どうも。で、誰を選ぶ?」
「んー? おはなし、する、いいひと」
「違いない、違いない」


ぐるりと室内を見渡すクロナ。ナンバーワンとの会話が覚束ないので、もう勝手に選んでしまおうかと方向転換したらしい。

そうしてしばらく、徐々に増えていく選手の中で知っている人間を見つけたのか、ガビを置いて何やら交渉に赴き、間を置かず一人の少年を連れてきた。


「コイツ、俺と同じ棟にいたヤツ。気が長い」
「どういう紹介だそりゃ」
「よろしく」
「お、よろしく。俺西岡初ね」
「俺は黒名蘭世」
「あおばらガビ」


そうして21位の西岡を入れたガビ・クロナ・ニシオカチームは初戦、ヒオリ・ツルギ・ニコチームに敗退し、再びガビ・クロナコンビに逆戻りした。



「お前……サッカーボール地面にめり込ませてイエローカードってなんだよ……」
「ごめん」
「2枚ももらうって……」
「ごめん」



そういうことです。




***




・バスミュンあでぃしょなるたいむ!



「ミヒャエル」
「なんだ? 俺の可愛いローゼ」
「チ◯カスてなに?」
「お前が知る必要のない蛮族語だ今忘れろすぐ忘れろ覚えたままうちに入ることは許しません」
「了解」


「ミヒャエル」
「なんだ? 俺の美しいローゼ」
「酷いこと言われて悲しいのに、嬉しくてプルプルしているグリムは大丈夫なの? 私も酷いこと言った方がいい?」
「お前は試合以外では決してあの縦ロールを目に入れるな口をきくな必要最低限同じ空気を吸わないようにしろ」
「了解」


「ミヒャエル」
「なんだ? 俺だけの愛しいローゼ」
「ネスが、」
「とうとうネスもやらかしやがったか……」
「今週末は天気がいいから、ランチを持ってミヒャエルと公園に行ってきたらって」
「サンキューネスお前のそーゆートコ好き」
「ネスも呼ぶ?」
「ローゼと二人がいいな」
「了解。ハムのサンドイッチ作るね」
「ローゼのサンドイッチは格別だからなぁ。楽しみにしている」
「うん」


余談だが、ガブリエルの前世は箱入り娘である。

稼業のために家を出ることも多いし、一週間野宿することもあるし、それなりの男女の付き合いも酸いも苦いも経験してきた大人の女だが、それ以外のプライベートは完全なる箱入り。家事の一切もスケジュール管理もすべて使用人任せの生粋のお嬢様である。ので、はじめは料理も洗濯も掃除もからきしだった。

だが、例によってガブリエルはやれと言われれば死なないギリギリまでやれる人間。家族であり命令系統最上位に君臨する兄に「お前の美味しいサンドイッチが食べたいな」なんて命令されれば真に受ける。受けまくった結果、某ホテルのラウンジメニューに出てくるサンドイッチのメニューを盗むためにあれやこれやと画策し出す。パリコレに出たモデルのコネを最大限に使い、ファッション雑誌の不定期料理コーナーにホテルシェフを引きずり出すとんでもチート業を成し遂げた。

つまり、ミヒャエルの「“妹”が作る料理はなんでも美味しいな」というシスコン拗らせ発言は、ガチのマジで真実“美味しい”のである。

美味しいサンドイッチを吟味するためにいろんな店やホテルのラウンジに通った労力、浪費、暴食したカロリーの消費、コネ、根回し、前世の知人の人心掌握術を参考にして聞き出した社外秘の隠し味、エトセトラエトセトラ。わりかし大変で面倒な手段をもって習得した本物の味は、何も知らずにミヒャエルの舌を肥えさせていく。


「ローゼのオススメはどれかな? お前の兄に教えておくれ」
「(どれも一緒なのにな……)あーん」
「あーん」


爽やかな休日の公園にて。お揃いのサングラスをかけた金髪二人組がベンチに並んで座っている。

一口サイズにカットしたミニサンドイッチを兄の口に運んでやるガブリエル。ブラックコーヒー片手にニッコニコの兄は、“妹”製以外のサンドイッチが受け付けなくなっていく体の違和感に気付かない。そういう意味で、兄は“妹”がいないと大変に困るのである。


「こらローゼ、口にソースがついているぞ」
「どこ?」
「ああ舐めるんじゃない。俺が拭いてやるから。……お前は本当に仕方ない“妹”だなぁ」


ガブリエルが日本に行ってしまう前の、なんでもない幸せなカイザー兄“妹”だった。




凛ちゃんが嫌に帰化条件について詳しいのは、兄ちゃんがスペインに帰化して帰ってこなかったらどうしようって不安になった時期に調べまくってたらいいなという妄想です。

今回短くなったのでバスミュンおまけとなんちゃってプロフィール付けて見ました。


PROFILE

ガブリエル・カイザー
ガビ・ブラウ
青原ガビ

誕生日|10月12日(イースターリリーが誕生花)
年齢(学年) |16歳(高校1年生)
星座|天秤座
出身地|ドイツ
家族構成|父・母・兄・自分
身長|180cm
足のサイズ|28.5cm
血液型|B型
BL入寮前の所属チーム|バスタード・ミュンヘン下部組織
利き足|両利き(元右利き)
好きな選手|ノエル・ノア(表向き。本当はいない)
サッカーを始めた歳|10歳
座右の銘|無言実行
自分が思う自分の長所|逆らわないところ
自分が思う自分の短所|察しが悪いところ
好きな食べ物|甘い物、刺激的な物、日本食
嫌いな食べ物|味が薄い物、納豆
BESTご飯のお供|カレー(ベストを選べるほどメニューを知らない)
趣味|トレーニング
好きな季節|冬
好きな音楽|教会音楽(教会が近所にあったので日常的に聴いていた。ただしミサで歌う讃美歌は直前に覚えて終わったら忘れる)
好きな動物|ボルゾイ(ミケに似てる。本当は飼いたい)
得意科目|全般平均以上
苦手科目|音楽、美術(実践は得意。鑑賞が苦手)
何フェチ|実用的な筋肉、撫でる手
されたら喜ぶこと|簡潔で合理的な命令、親しい人に褒められること
されたら悲しむこと|感情論ありきの命令、「いらない」と言われること
好きなタイプ|兄が認めた人、話が通じる人(二重の意味で)
昨年のバレンタインチョコ数|赤い薔薇一本とキャンディ型の入浴剤(兄からもらった)
睡眠時間|3〜4時間→7時間
お風呂で最初にどこから洗うか|手
コンビニでつい買ってしまうもの|紗々(アンドリュー推薦)
きのこ派orたけのこ派|気分に寄る
最近泣いたこと|生まれた時
サンタからのプレゼントは何歳まで?|10歳
サンタからのプレゼントで要求したのは?|防寒具(思いつかなくて適当に言った)
地球最後の日に何をする?|前世の実家を探して一人旅
1億円もらったら何をするか|貴金属類に換えて貯蓄
休日の過ごし方|家事、トレーニング、データ分析、ボディメンテナンス、兄の予定に付き合う(兄「デートだ」)

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