short call time



「それでね、成り行きで生徒会入ることになっちゃったんだあ」

『……』

「仕事思ったより大変で死にそうだけど、なんとか頑張ってるよ」

『……』

「会長も副会長も優しいし、クラスの人も協力的で、とっても良くしてもらってるんだ」

『……』

「えっと、そ、そっちはどう? 新しいクラス、馴染めそう?」

『……』

「いや、最悪馴染めなくても元気だったらそれで良いんだよ? 良いんだけどね?」

『……』

「も、もうすぐ全中のレースあるよね!? 開催地、関東のほうだったっけ? 私ちゃんと応援行くから! ゴールで待ってるから! 頑張ってね!」

『……』

「あ、えっと、それから、あの……」

『……』

「無視は、よくないと思いまーす……」

『……ハア』

「ええ、溜め息!?」

『相変わらず、帆ちゃんは空気読めへんヤツやな思て』

「ひ、ひどい! 久しぶりの電話なのに!」

『ひどいんはどっちや。聞こえとるよなこのローラーの音。ボクは今練習中なんよ? 練習の邪魔しとる方が悪いやんか』

「え! あ、ごめん! 翔くんなら大丈夫かなあ、と」

『なんやそれ、自惚れるんも大概にしいや』

「うん、ごめん……じゃあ電話、切ったほうが良いよね……」

『…………切れとは、言うとらんわ』

「え……」

『……』

「あ、ああ翔くんんんんんっ!!!」

『ウザ! ウッザ!!』



でもキモいとは死んでも言わない御堂筋だった。


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