※直接的ではありませんが事後的な描写あり




我に帰ると、俺の下には涙と白い液体でぐしゃぐしゃの研磨がいた。その白い液体は予想しなくとも俺の吐き出したものだとすぐに理解出来た。
研磨の腹や腕、脚など顔以外の場所には青アザや血が滲んだ擦り傷がいくつもあった。
これも俺がやったのだろうか。俺以外誰がやるというのか。この状況で俺以外に思い当たる人物なんてここにはいない。

研磨を見ると、何となくいつもの研磨ではないような気もした。髪が少し長く顔も大人びている気がする。
そう言えば、この部屋に見覚えがない。気が付いたらここにいた、そんな気がする。

「ク、ロ…」

自分を呼ぶその声は弱々しくか細い。今にも消えてしまいそうな、そんな声。

「研磨…っ」

強く抱き締めると、「いたいよ、クロ」と小さく笑うような声がした。なんで、俺はこんなに傷付けてしまったんだろうか。なんで、そんな事を覚えていないんだろうか。




目が覚めたのはベッドの上、見慣れたこの風景は間違いなく自分の部屋だった。身体を起こすと「さむ…」と隣からダルそうな声がした。聞き慣れたあの声。ふわふわのプリン頭に見間違える事はない。

「悪い、起こしたか?」
「…なんでこんな夜中に」

変な夢でも見たの、と問われてやっと先ほどの変な感覚が夢だった事に気付く。でも、何だったか覚えがない。とにかく起きた時の違和感。夢でもやはり見たのだろう。

「寝直すか」

頷く代わりに腰に抱き着いてきた可愛い恋人の額にキスをして再び布団に潜り込んだ。


title by 秋桜



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