国見と岩泉

※吸血鬼国見


「…岩泉さん、どうですか」

どう、と聞かれても噛まれた首筋が痛むし、訳の分からない感覚がするしで何も答えられない。あの国見が目を細めて笑っている。ずいぶんと余裕のある顔だ。

「…っ、う…ん…っ」
「しますか、」

セックス。


「っ、何…言…っ」
「気持ちよくなりたいんじゃないんですか。血を吸われると、人間って無性に快楽が欲しくなるみたいなんですよ」

噛みつかれた痛みはいつの間にか消えていて、あの感覚だけになっていた。国見が言うことはきっと正しいのだろう。ずっとこのままは嫌だ。部活だってあるのに。

「じゃあ、しちゃいましょうか」

国見がまた笑った。


title by 獣


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