▽
国見と岩泉
※吸血鬼国見
「…岩泉さん、どうですか」
どう、と聞かれても噛まれた首筋が痛むし、訳の分からない感覚がするしで何も答えられない。あの国見が目を細めて笑っている。ずいぶんと余裕のある顔だ。
「…っ、う…ん…っ」
「しますか、」
セックス。
「っ、何…言…っ」
「気持ちよくなりたいんじゃないんですか。血を吸われると、人間って無性に快楽が欲しくなるみたいなんですよ」
噛みつかれた痛みはいつの間にか消えていて、あの感覚だけになっていた。国見が言うことはきっと正しいのだろう。ずっとこのままは嫌だ。部活だってあるのに。
「じゃあ、しちゃいましょうか」
国見がまた笑った。
title by 獣