※現パロ 薬厚双子




「お前ら距離近くね?」


ある日、クラスメートに言われた。俺っちと厚が常に一緒にいるから、だと。それから、手を繋いだり抱き着いたりは普通の双子はしないから、と言われてしまった。

普通、とは何だ?俺っちには分からない。あいつにとっては何気ない一言だったのかもしれなち。けれど、おかしいなら厚のためにもやめるべきなんだろう。


「薬研、一緒に買い物行かねえ?いに兄が夕食のおつかいに行ってきてくれ、って」
「おー………あ」

一緒に買い物に行くってこともおかしいのだろうか。もし、あいつにスーパーで会ったら厚にまであんなことを言うかもしれない。

「忙しい、か…?」
「…ちょっと、な」
「じゃあ、乱と行ってくる。薬研何か欲しいもんあるか?」
「……厚、今誰と行くって?」
「え、乱」
「やっぱ俺っち行くわ」
「忙しいんじゃ…」
「忙しくねえ!」
「??」

厚の隣は誰であっても譲れない。たとえ兄であろうが弟であろうが、厚の隣は俺っちだ。絶対譲れない。

「薬研さ、何か悩んでる?」
「……そんなことねえよ」
「オレ、今日クラスメートにちょっと言われてさ…もしかしたら薬研も言われたんじゃないかなーって思ってたんだけど、違うか?」
「あ、厚も!?」

厚もあいつに俺っちと同じことを言われたらしい。

「オレ、薬研と一緒にいるのが当たり前だったから……薬研と距離なんて置けないと思ってた。でも、薬研が迷惑なら距離置かねえといけないよなぁ…」
「え、あっ、違うんだ厚!…その、俺も厚が嫌なら…って考えてて…」
「オレは薬研のこと好きだから、離れたくない」
「………えっ」
「でも、オレが薬研にベタベタすると薬研が悪く言われるから…」
「ちょっと待ってくれ、厚!」
「…?」

俺のこと好きってどういうことだ、好きって、好きって!ライク?ラブ??

「お、俺っちのこと好きって…」
「好きだけど…」
「兄弟、として…か……?」

尋ねると急に黙って俯いてしまった。やっぱここはスルーすべきところだったか、でも、俺っちは確かめたかった。

「…兄弟として、じゃなかったら…薬研は困るか…?」
「………困らねえ」
「オレ、薬研のこと……んぅ!?」

ちゅ、と厚の唇に自分のそれを押し付けた。兄弟として、でないんだったらしてもいいと思っちまった。

「…こういう、意味か?」
「や、やげ…っ」
「俺っちも厚のこと好きだ」
「…っ」
「俺以外にはそんな顔見せんなよ、厚」


真っ赤になった厚は口をパクパクさせたまま固まってしまった。そんな厚が愛しくて再びキスをした。






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