冬は星が綺麗に見える、って主が言ってたっけ。濃い青の紙にポツポツと白い絵の具を垂らしたような夜空。一等星、二等星、三等星、他の星たち。
昔、人がしていた話…人は死んだら星になる、って本当なのかな。ここから見えないだけで、実際にはもっとあるんだろう。
沖田くんは今頃僕のことを見ているのかな。こんなちっぽけな僕が見えているのかな。

「安定ー、湯冷めするよ」

ほら、と渡されたのは膝掛けだった。

「…ありがとう。でもこれ、君のお気に入りじゃなかった?」
「俺も使うからいーの」

そう言って加州清光が僕の隣に座った。膝掛けは小さくはないけど、二人で使うには少し横幅が短い。彼との隙間を詰めたら、肩があたった。

「あったかいね」
「また"沖田くん"って考えたんじゃない?」
「…うん、ちょっとね」
「あんま思い詰めんなよ」
「どっちが」

ふふ、と笑うと加州清光は「なんだよー」と頬を膨らませた。彼は彼で辛い思いもしてるだろうに、僕のことなんて放っておけばいいのに……。

「俺のこと、もっと頼ってよね」
「………ん、ありがとう」

沖田くん、僕は今寂しくないよ。頑張ってるよ。見ててね、もっともっと頑張るから。





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