主や他の刀剣たちと一緒にいたはずなのに気付いたら見知らぬ場所に一人だった。右も左も分からない。この街は広いからあれほど気を付けろと言われたのに。
「…どうしましょう」
日が傾いてきている。もう少ししたら辺りが暗くなる。夜になると街は恐ろしいと主がおっしゃっていた。
「前田…!」
「平野!」
「探しましたよ。皆心配しています」
平野が私の手を握って「戻りましょう」と笑ったので、思わず私も笑みを溢した。
私を見つけてくれたのが平野ということが、どこか嬉しかった。
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