※学パロっぽい



独特の鼻にくるキツイ臭いが隣から漂ってきた。犯人は紛れもないあの男。

「やっべー!これ発色超綺麗!安定、これ見てよ〜!」
「臭いからやめて」
「綺麗でしょー?ちょっと右手やってくんない?」
「…話聞けよ」

と言いつつもやって上げてしまうのが僕の悪い癖。加州清光とは長い付き合いだった。彼は着飾るのが好きだ。人から好かれたいっていう理由で外見にこだわっている。


「チャラチャラしてるだけのくせにさぁ」

陰口を叩かれるのもよくあることだった。僕からすれば、本人がいないところで悪口を言う奴の方がグズだと思う。なんて以前彼に言ったら「そんな奴ら放っておけよ」と笑われた。

加州清光のことは別に嫌いじゃない。彼自身も彼の生き方も。彼が外見を気にすることだってちゃんとした理由があるんだから。


「はい、出来た」
「わぁ、安定ありがとー!やっぱ右手は自分じゃ出来ないからなぁ」
「暇だったらやってあげるよ」


子供のようにはしゃぐ彼を見たら思わずポロリと言葉を漏らしてしまった。まぁ、いいか。
暇なときだけなら。





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