身体が熱くて熱くて、苦しい。傷のせい?でも、傷も大したことないし、そういう訳でも無さそうだった。だから、誰かに相談なんて出来なくて、治まるまで布団を被っていることにした。


「厚、傷の具合どうだ?手入れ部屋空いたから大将が来いって……厚?」
「…や、げん?」
「顔真っ赤じゃねえか。大丈夫か?大将呼んでくるか?」
「だ、大丈夫だ、から…」
「でも息が上がってる」

薬研は厚の傍に座り布団を剥いだ。厚は汗で濡れていた。

「汗、すげえぞ」
「…あ、つい……」
「厚…?」
「か、らだ…熱…い…」
「毒か何かかもしれねえな」

薬研が厚の顔にそっと手を触れると厚は肩をびくっと震わせた。

「っん」
「厚…?」
「…やげ、オレ……したい…」
「は……」
「なんか、薬研としてるときみたいな、感じなんだ…」

大将に伝えに行くべきか、それとも厚を先に解放してやるべきか。迷っている暇はない。報告ならいつだってできる、と思った薬研は静かに頷いた。

薬研は厚の身体を引き寄せ、唇に吸い付いた。

「…んっ、や、げ…」
「厚、もうちょい口開けろ」
「っ、ふぁ…っ!」

薬研の舌が厚の口内に入り込み、貪り食うように暴れまわる。

「んっ、ふぅ、やげ…っ」

厚は身体が先程よりも熱くなっていく感覚に陥る。薬研との口付けにより、一層呼吸が乱れてゆく。

「ぷは…っ」

薬研が唇を離してやると、力が抜けてしまったのか、厚は薬研の腕に倒れた。

「厚、まだ…熱いか?」
「ん、まだ…」
「…一応軽傷負ってるから加減はするけど、苦しくなったら言えよ」

薬研は厚のシャツのボタンを一つずつ外していく。厚はそれをじっと見つめていた。

「薬研、」
「もう少し待ってろ」
「…はやく」
「そんな急かすんじゃねえ。俺もぶっ飛びそうだからやめろ」
「だって……」

薬研は厚が苦しむようなことはしたくなかったため、必死に理性を保っていた。普段強情な厚が、荒い息をしながら自分を求めてくる姿なんて見てしまったら抑えられなくなりそうだった。








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