※欲張り


*ブン太が独占欲強く性格悪い





昼休み、仁王が教室を出ていくのを見た。

………女に連れられて。







わかるよ、愛の告白でもされるんだろい?


でも、ダメ。

仁王は俺のカレシだから。







どこ行くんだろう?

あの女になんて言われるんだろう?

その言葉に仁王はなんてかえすんだろう?



気になることはたくさんあったが、今は飯を食うことが最優先だった。

腹減ったし……。


それに…
………仁王が告白を断ることもわかってたし。



あぁー、でもやっぱり気になる。


とりあえず弁当だけ空にしてからあの二人探してみるか。












予想通りの場所に二人はいた。

校舎裏。


ここは立海の告白スポットらしいからな。



校舎の陰から仁王の姿を覗き見る。

女なんてオマケだオマケ。



告白される仁王が見たい。

困った仁王が見たい。

……それだけ。





俺と仁王では距離が少しあるせいで、話し声が聞きづらい。

よーく耳を澄ませてやっと聞こえる程度。



「…だから、俺はお前さんとは付き合えんと言っとるじゃろ…」





仁王が迷惑そうな顔していた。


あの女、しつこいんだ。

仁王の様子からわかった。


無理だって言われてんだからさっさと諦めとけよ……


俺はなんだか仁王をひとり占めしたい気分になった。



俺は校舎の陰に隠れるのをやめて仁王と、その女に近づいた。




「もうやめとけば?こいつ、俺のモンだからさ」


女はビクッとして俺のほうを見る。


二人のあいだに入り込み、うざったい女に言ってやった。


「わかんない?仁王は俺のカレシなの」


仁王の隣にならび、横から抱きつく。

…見せつけてやる。







勢いでこんなことしちまったけど仁王に呆れられてないかなと不安になった。


顔を上げて仁王を見ると、困ったように笑っていた。


そして、仁王の手が俺の頭を撫でた。

「そういうことじゃ。俺は丸井しか見えておらんでの… 」


仁王からも女にキツく言うと、泣きながら逃げるように去っていった。


















「さっきの丸井はかわいかったのぉ」

「や、ぁああ…っ…!」


前立腺を仁王のもので擦られると自身から蜜が溢れる。










あの女が去っていったあと、俺たちだけで盛り上がってしまい、何度もキスをした。


身体に宿った熱を放したくて、トイレに駆け込んだ。



そして流れるようにセックスをすることになった。


仁王が蓋を閉めた便器に座り、俺が仁王に跨る状態。

上にいる俺が腰を振るべきなんだろうけれど、力が抜けてとてもそんなことできそうにない。


それを察してか仁王が下からガツガツと突き上げる。

その度に俺は女みたいな高い声をだす。


「あ、ん…んっあっ、……っ…あぁ…っ!」

「イきそうかの?」


「んっ、うん…う…ん…イく…ッ!」


そういうと仁王は俺の腰を掴み、激しく欲をぶつけてきた。


「はっ、だめ…だめ…っ!イっちゃ……!」

「…っはァ…っ、イきんしゃい…っ」


仁王も限界が近いのか息が乱れている。


仁王が俺に興奮しているんだと思うと、俺もさらに興奮してしまう。


「あぁっ…んぁ…、あっあっ……っ…ひ、ぁああああっ……」



仁王のペニスに前立腺を強く押され、オレはイってしまった。

イくときに仁王のものも締め付けたのか、中で仁王が熱を吐き出す気配を感じる。







もし俺が女だったら、中に出してもくれないんだろうな……。

こんなに仁王の近くにも居られないんだ……。



そう思うと、俺が男でよかった…。






……そうだ…。

やっと納得できた。

仁王が女に告白されて不快だった訳が。


俺は女が羨ましかったんだ。

恋愛としての好きを、当然のように、簡単に伝えられる女。




同性である仁王を初めて好きだと自覚したとき、性別の壁を強く意識した。
でも、仁王は男の俺を愛してくれた。








今思えばバカなことしたなー。

仁王が俺の側にいてくれるなら、他に何もいらないつもりだったのに。




仁王が俺だけを好きでいてほしい。

仁王が俺だけを見ていてほしい。

仁王が俺だけに優しくしてほしい。



気づけば俺はどんどん欲張りになっていた。







…end





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