※はじめての2

「のう、丸井。俺はお前が嫌がることはしないぜよ」

仁王の突然の言葉に顔を勢いよくあげる。

「緊張しているのは見てわかるぜよ。もし丸井がしたくないって言うのなら、俺は待つなり」




…どうしよう
仁王が真剣な表情で俺を見つめる。

仁王とセックスするってことは、体型的にも俺が下になるってことだろ。
…少し怖い



でも、俺は…

「俺は、仁王と…そういうこと、したい…」

「丸井…!」


仁王の潤んだ目が俺をとらえる。

こいつは、俺に欲情している
そう思っただけで嬉しくなった。






ベットに連れていかれ、優しく押し倒された。

「もう一度訊くぜよ、本当にいいんかの?」

「いいんだって…。お前だって今更やめられないだろい?」

「フッ、そうじゃの…」









触れるだけのキスとされたかと思うと仁王の舌が俺の閉じられた唇を舐めた。
くすぐったくなり口を開くと仁王の舌が入ってきた。

上顎を舐められると体の力が抜けてしまう。

「…ふっ、ん…っ」


「キスだけでエッチな声出さないでくれんかの…興奮するじゃろ…」


仁王の手が制服のシャツのボタンを外していく。



…も、恥ずかしすぎる…



鎖骨、胸、脇腹を撫でられてくすぐったい。


「ぅあ…っ!」

胸の突起を摘まれて思わず変な声が出た。

「感じるかの」

「…わ、かんなねぇ…」

くすぐったいような痺れるような感覚に襲われる。

仁王は胸を弄る手を止めずに刺激するせいで息が乱れてきた。

「に、仁王…んっ、もういいっ、て…」


そういわれ手を放されると少し間があった。
気になって仁王を見ると眉を八の字に寄せ潤ませた瞳とかちあった。


「下、脱がすぜよ」

「う、ん…」


仁王も緊張しているのが伝わって嬉しくなった。
でもこいつ、何をそんなに…

…もしかして、仁王もはじめて…とか?



「仁王…!」

「ん?どうしたん」

「お前、はじめてなの?」


俺が仁王のはじめての相手なら嬉しい。
でも、そんなことあるわけないよな、なんて訊いたあとに後悔した。



「はじめてぜよ…」


…え?


「丸井が初めてじゃ…笑うかの」



ブンブンと頭を振る。

「男が、じゃなくて?」

「女も男も抱いたことなんてないぜよ…」



どうしよう、どうしよう…。
嬉しくてたまらない。
そんなことを気にしてただなんて自分でも女々しいとは思うが、顔がニヤけるのをやめられない。








「ぁ……ん、…ふっ…」

仁王に自身を触られていると思っただけでイってしまいそうだ。

「に、にお……もう、んぅ……出そう…ぁ…」


すると仁王は手の動きを速めた。


…やばい、出る…っ


「俺の手でイきんしゃい…」

「ぁあ……ん、ん…あぁぁ…!!」

今まで聞いたことのない掠れた声に興奮して、仁王に手に出してしまった。



「たくさん出たのう」

イったあとの気だるさのせいで意識がぼやける。
仁王の言葉にも反応出来ないでいた。





「…っ、な、なに!?」

自分でも触ったことのないところを触られ、ビクッとしてしまう。

さっき俺が出した精液を蕾に塗りつけられる。


「や、やだ……仁王…っ」

「大丈夫じゃき」


仁王は俺の言葉を無視して指を一本入れた。


「ん、ん……なんか…気持ち悪い…」

「…痛くはないかの?」

「うん、平気…ひぁっ」


後ろを弄られると同時に前も擦られるとなにがなんだかわからなくなる。

女みたいな変な声も漏れてしまう。




「丸井…もう三本も飲み込んどるぜよ」


そういって中でバラバラに指を動かされる。



「あぁ…っ!」



…なんかソコ、変だ!


「丸井の気持ちいいところみっけ」

仁王がニヤリと笑うとソコばっかり指で擦ってくる。


「や、仁王…やぁ…っ!あっ、あぁ……!」


自分の喘ぎ声に混じってくちゅくちゅと卑猥な音が部屋に響く。


さっきイったばかりなのにまた射精したくなった。


「や、だ…!んぁ…にお、におう…また…っ!……ふ、んぅ…」


仁王は俺の状態を察したのか、指を ゆっくりと抜いた。


ほっ、と安心したのも束の間だった。
仁王がズボンを脱ぎ捨て、勃起した自身を取り出した。



…こんなの、無理無理…!絶対入らない…!



仁王のペニスが俺の尻に当てられる。

「丸井…かわええ」

「に、仁王…俺、怖い…!」





「俺だって怖いぜよ……大好きな丸井を抱くんじゃ。それに…」

はじめてじゃから…
と続けた仁王は少しかわいかった。


でも、尻に当てられてるものはかわいくない!


硬いし、熱いし…



焦らすように亀頭を入口のあたりで擦られると嫌にもその存在を意識してしまう。


「んっ、んんっ!仁王、やだ…!」


蕾がひくつくのが恥ずかしい。


「入れるぜよ…」


男で正常位はつらいだろうと仁王が気を使ってくれ、腰のしたに枕を置いてくれた。


…だいぶ楽にはなったけれど…その枕、お前がいつも寢るときに使ってるやつなんだろ……?



申し訳ない気持ちになったが、仁王のが奥に入ってくると他のことなんて考えられなくなった。



「はっ、…丸井の中はあたたかいの…」



奥へ奥へとペニスを入れられ、圧迫感でうまく呼吸ができない。


入ってくるあいだの時間がえらく長く感じた。

しばらくすると全部入ったのか、仁王の動きが止まった。


おかげで俺の呼吸も整いだした。


「動いていいかの?」


「ぅ、あっ、あっ…!」


俺の答えを聞く前に腰を動かしはじめた。

負担を与えないようにしているのか、ゆっくりとした動きだった。

それでもはじめての俺には十分な刺激だった。



「はっ、はぁ、丸井っ…好きじゃ…好き、じゃ……!かわええ……っ」

「あ…にお、俺…も……ふぁあ…っ!」


俺も好きだ

そう言いたいのに、舌がうまくまわらない。
それに、この状況で言うのが恥ずかしい…。



「丸井…はぁ、聞きたい…っ、丸井の口から…はっ」


「や、あぁ…仁王…ン、お、れも…にお…がす、…すき…すき…っ!」




「いい子じゃ…」


仁王の大きな手のひらが俺の頭や頬を撫でる。

…これ、やばい…ドキドキする


「こっちもよしよししてやるぜよ…」

「やぁぁあッ!あ、仁王、やだ……やぁ…!」


中のイイところを仁王のペニスで激しく擦られる。


「ん、ひぁ…あっあっ、んん!」


触られてもいない俺のペニスからは蜜が垂れていた。

…も、イきたい…


そう思った途端、仁王が俺のペニスを握って上下に擦った。
亀頭や裏筋まで器用に擦られ、俺の絶頂はより近くなった。

中も前も仁王に弄られ、快感の波に襲われる。


「あっ出るっ!仁王…ン、出る……!」

「はぁっ。一緒にイこうな……っ!」

仁王は腰の動き、手の動きを激しくした。


「やっ、にお、におう…ひぁああっ……!」

俺が射精すると同時に仁王の熱い液が中に注がれた。

中でビクビクしているのがわかる。








…なんか、好きな人と繋がれる幸せってのがわかったきがする…。


すべて出し終えた仁王は俺の中からズルりとペニスを抜いた。


「はぁ、はぁ…気持ちよかったなり……」

「はぁ…お、俺も……なかなかよかったぜい……」


「…っ!や、やめてくれんかの…そうやって煽るのは…」

顔を赤くする仁王に調子に乗ってしまう。

「へへ、好きだぜ!仁王」









お互い息が整わない会話は情事後って感じかして不思議だった。


今日をきっかけにまた仁王との距離が近づいた。



End



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