※お前のためなら何にだってなれる


*ニオ→ブン
*ブン太がノンケ








放課後の部活が雨のため中止となり、学校からそのまま仁王のうちに遊びに来た。



我が物顔でベッドのうえに転がって仁王の雑誌を読んだりしていたら、突然覆いかぶさってきた。


さっきまで、ベッドの下で仁王も雑誌読んでただろ…




そして当然のようにキスされた。


「…っ!やめろよ、お前…そういうこと…」

「変かの…?」

「あたりまえだろぃ…!恋人でもあるまいし…それに俺、…ホモじゃないし…」














仁王とこういったことをするのは初めてじゃなかった。


仁王の家に遊びに行くのはこれで七回目。


四回目に初めて仁王にキスをされた。
五回目には四回目のときにしたキスについて謝った。

こいつが謝るなんてあるんだな、なんて思って…
許してやったら調子に乗って抱きしめてきた。

そんで、耳元で名前を呼ばれて、女でもないのにドキドキした。


六回目のとき、仁王はホモなのかが気になって思い切って聞いてみた。

そしたら黙って押し倒されて、
あぁ、こいつ、本当にホモなんだな…って思った。


押し倒されているという自分の状況から危機を感じて必至に抵抗をした。

しようとしたんだ。

でも、五回目のときみたいに耳元で名前を呼ばれれば、ゾクゾクしちゃってなにもできなくなった。


そして仁王の手に股間を握られ、果ててしまった。




俺はホモじゃない。

ホモじゃないのに、男に触られて射精した。



そのことがいつまでも頭の中をグルグルした。










今だってそうだ。

仁王に押し倒されて、抵抗できないでいる。



仁王の手が俺の頬を撫でて、親指でした唇を触られる。


そして顔が迫って来たかと思うと口づけられた。


「…んっ…ふぁ…」

「ん、ん……」


舌で唇を舐められると、なんだかエロイ気分になった。


無意識のうちにそのまま口を開けばわ仁王の舌が俺の口内を荒らす。


ゾクゾクする。


感じている自分が怖くなって逃げるようにシーツを蹴るが、仁王がより体重をかけることでそんな抵抗も無駄に終わった。


その時太ももに硬いものがあたった。

仁王に体重をかけられて、欲をダイレクトに感じさせられた。











「…あっ、やぁあ……っん」



指で解させた後孔に仁王の熱をぶつけられる。

女みたいな声を抑えることができない。


涙目で仁王を見つめていると、前髪を掻き分け額にキスされた。


こんな…女みたいに扱われて……。

嫌だって思わなきゃって思うのに…。


「丸井、嫌かのぅ?」

「……っ!?」




脳内が透けて覗かれているのかと思った。


「だって丸井は男に抱かれる趣味もないやろ?」


「…そ、だけど…」



そうだよ。

俺はホモじゃないんだ。

男に抱かれてよがるなんて変態だ。

でも…


「いや…じゃ、ない……」


仁王が相手なら、嫌じゃない。


だから、きっと俺も変態なんだ。


仁王に変態にさせられちまったんだ。






腰の動きを激しくされ、気づけば前からも蜜を流すほどに感じていた。



「はぁ…んっ、あっあっ……ッッ…!」


前立腺を集中して擦られるとあっけなくイってしまった。


途端に仁王のペニスが勢いよく抜かれ、俺の腹に熱いものがかけられた。














「のう、丸井」

「なんだよ」


セックスのあとは気だるい。

腰も痛いし、喉もガラガラ。


「俺とのセックス、いやじゃないやろ?」


「……っ」

それは、行為中に言ったはず。

また言わせる気か。


「何度も言わせるなよ。いやじゃないって…。あっ、でも…」


仁王が俺の続きの言葉を黙って待つ。

「俺、ホモじゃない。えっと…その…、お前だからいい。お前だから……」


「丸井ッ」


言葉を遮って抱きしめられる。



「俺も、丸井だから抱きたいって思うんじゃき……」







それって…俺のことが好きってこと?
つーか、俺も仁王なら抱かれてもいいって、そういうこと?


俺たち、いつの間にか両想いになってたんだ……。






仁王とキスしたり、セックスしているうちに俺は仁王に惹かれていったんだ。




仁王は俺のどこが好きなんだろう?

いつから?


気になることはたくさんある。


でも、そんなことを聞くのはなんだか照れくさくて。


だって…セックスまでしたのに今更って感じ……。



「なぁ」

……

「俺とのセックス、気持ちいい?」


「……っ…!」



冗談半分で言ってやれば仁王が顔を赤くする。

詐欺師でもこんな顔するんだな。



つか、冗談だろい…


そんなマジになられると、聞いたこっちが恥ずかしい……。



二人して顔を真っ赤にして俯く。







さっきは否定したけれど、

こいつのこんな顔が見れるなら、俺はホモでも変態でも…もうなんでもいいやって思えた。








…end




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