彼の名前は「五十嵐 陸」と言うらしい。
名前と年齢を聞いたら私と同じで5歳らしかった。 にしてもかわいい。なにこの子。
一人彼に癒されていると不意に彼が、「あ、でもね、」と盛んばかりの笑顔を止めてこう言った。
「中身は23なんだよね、あはは」
ついぴしっと固まってしまった私は悪くないと思いたい。
∴ ∴ ∴
それから少し話をして、彼も転生した人間であることと、彼の友達にもう一人転生者がいること、彼の家が私のお隣りだということがわかった。
なんでも少し前に七色のコンパスが隣の家から聞こえてきて、もしかしたら、と思ったらしい。
絶対あの時だ、やっべ恥ずかしい。
そういえばどうして彼は七色のコンパスを知っているのだろうか。
一時期ニコニコで爆発したマジLOVE1000%なら、まだしも七色のコンパスだ。
わけわからんと彼に尋ねると、
「ああ、俺アニメも見てたしmusicもやってたから。」 なんてしれっと返された。かわいい顔して言ってる内容はかなりヘビーだ、私的には。
「へ、へえ、そうなんだー…」 一瞬同族かと勘違いしそうになったが、自制して堪える。 腐、腐男子なんてそうそういるわけがないんだ、だから彼は、
「トキ音とレン翔が好きですが、砂翔も好きです。」
ぷるぷる震える私に気づいていたのか、くすくすと可愛らしく笑いながら彼がそういった。
目を見開き硬直する私は、突然ばっと腕を広げた彼に首を傾げる。
「来い!同族よ!」
反射的に彼に抱き着いた私を許してほしい。
にしても美少年、美味しいです、じゅるり。
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