なんとかクラスのみんなもペアが決まったようで、みんなぐったりした様子で席に着いた。



先生に「ペアが決まっていないけどいいのか?」と聞かれて即答した隣の席の男子に集まったBクラス中の呆れた視線に溜息を零す。


彼はボカロ曲だけでのりきるつもりらしい。
まあ、私もだけど。
彼は歌が上手いから問題なんてないんだろうなあ、と一人で納得した。




この世界にはボーカロイドが存在しないようで最初こそしょんぼりしていたが、ある意味ラッキーだと曲をお借りすることにした。




そこ、狡いって言わない!



   ∴  ∴  ∴



漸く自己紹介タイムがきたらしく、先生が誰から行くー?なんて声を張りはじめた。


が、言わずもがな自らトップバッターに立候補するものはおらず、思わず溜息を吐く。…仕方ない。



すっと手を上げ「やってもいいですか?」といえば先生は目をキラキラさせながらああ!なんて言って教卓の前をあけてくれた。


教卓の前に行こうと立ち上がると幼なじみ二人が頑張れ、と小さく応援してくれたので頑張らなければ。


…さあ何を歌おうか。



私はゆっくりと前を見据え口を開いた。



「私の名前は―――…。」











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