あの後、かなり(シャイニング早乙女が物理的な意味で)ぶっとんだ入学式が行われ、その後は各クラスで、ということらしく生徒がぞろぞろと教室に向かう。


「あの子、大丈夫かなあ…。」とぽつりと呟く。


あの子とは言わずもがな春歌ちゃんのことだ。
ゲームではただの貧血だったはずだから問題ないはずだし、なっちゃんがちゃんと(?)処置してくれたはず。
ヒロインは基本無事であるという法則上、心配するだけ無駄なんだろうなあ…


「大丈夫だろ、ヒロインだし。」


…やっぱり陸ちゃんは考えることが似ていると思う。



  ∴  ∴  ∴




「そういえば、自己紹介なにやるか決めたか?」不意に奏君が話題を振る。



…珍しい。


「いや、取り敢えずピアノ弾きながら何か歌おうとは思ってるよー」あれからずっとピアノとはお友達で一通りのボカロ曲は弾けるようになったし、父のおかげで自意識過剰かもしれないが、結構歌には自信がある。



「ああ、なまえ歌上手いもんなあ…」うんうんと頷きながら言う陸ちゃんに奏君も「そうだな。」なんて肯定してくれる。


…嬉しいが、私よりも歌が上手い二人に言われると腹立つ。

照れたからなのか少し足早になった私は二人より少し前のところで止まり振り向く。


「ま、まあいいや。早く教室行こう?」


「ああ、」


返事をくれたのは奏君だけで、顔をしかめながら足を止めた陸ちゃんにどうかしたのか聞けば、彼はぽつりと呟く。



「Bクラスってさ……いや!なんでもない、行こう?」


なんだか含みのある言い方だったが、彼はにこりと笑いながら私の手を引き歩きだす。


よくわからない態度の彼に首を傾げ奏君を見るも彼も私と同じようで首を傾げていた。



彼は確かに「Bクラスってさ」と言った。


どういう意味?それに続く言葉は?



深まる疑問に私はまた首を傾げた。











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