良い笑顔(あれはまさに満面の笑み)で送り出してくれたお節介にもほどがある幼なじみに殺気を送っていると、胸にどんっとなにがぶつかる感触。
まあ言わずもがなぴょんぴょんボーイで彼は私に背中を向ける形で立っていたから、彼の背中に抱き着いてしまったことになる。
「?!うわっ、」 「みぎゃっ!」
突然のことに男気全開な彼も流石に対応しきれなかったようで、可愛…げふん、格好良い反応を示して斜め前に倒れる。 そしてその上に私も倒れる。 =押し倒してしもうた…!しかもなんだよみぎゃっ!って。
「いててて…なんだよ、急…に………。」
首だけ振り向かせた彼は私の顔をみてぴしっと固まる。
「ご、ごめんなさい…!友達に押されちゃって…。」
慌てて飛び起きて彼に手を差し出す。
「怪我とかしてませんか…?」
も、もし可愛い可愛い可愛い可愛い翔ちゃんに怪我なんかさせたら全国の大きいお姉さんにフルぼっこにされちゃうよ…! なんて涙目になっていると、彼はなにを勘違いしたのか「なっ…!お、俺は大丈夫だから!」なんて慌てて私の手を掴んで立ち上がる。それから一生懸命私を慰めようと頭を撫でてくれる。私よりも2センチも小さいのに腕を必死に伸ばして撫でてくれる。
「本当にごめんなさい…」 必死にとか2センチとか一生懸命とか考えてて本当にごめんなさい。
「いや、大丈夫だから!な?」 本当にごめんなさい。
めちゃくちゃ可愛いです、可愛いって思っちゃって本当にごめんなさい。
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