あのあと奏君っていうこれまた美少年が来て、彼が陸君が言っていた転生者だと判明。彼も中身は23歳らしい。わーい、年上だー。

そして少し話してみたが、やはり彼らもここがうたプリの世界だと気づいていたらしい。


「やっぱりそうなんだ…」


ぽつりと呟くと彼らは心配そうに眉を寄せながら、二人より少し小さな私にあわせて屈んで背中をさすってくれたり、頭を撫でてくれた。


「大丈夫だよ、俺が守ってあげる!ね!」なんて陸君が頭を撫でてくれているが、ある意味逆効果で柄にもなく涙がぽろぽろ零れた。

砂場の砂に涙が染み込み、雨が降りはじめた時のような跡がついている。

更に慌てる陸君が「…え、ちょ…!どうしよう!か、奏っ!」なんてわたわたと奏君に助けを求め、奏君まで慌てて「お、俺も守るから!」なんて意味不明なことを言いはじめた。


止めなきゃ、と思い目を擦ると「赤くなるからやめろ」とやさしく奏君が拭ってくれた。


ちらりと彼らを見ると少しオロオロとしていてつい笑顔が零れた。


私が笑ったことに気づいたのか、二人はきょとんとした後、顔を見合わせ、また私を見て微笑んだ。


ずっと一人だと思っていた。昔の記憶を持っているなのか、落ち着きすぎている私を近所のおばさんたちは不気味がっているし、その影響か、ただ単に私の性格が悪いのか友達もできなかった。
私は社交的とは言えない性格だったし、今考えてみれば前の世界を結構気に入っていたのかもしれない。もちろん今のお母さんとお父さんも大好きだが、前の両親を思い出せなくなっていく親不孝な自分が怖かった。
夢小説の主人公のようにはなれない、とても私にはこの状態で活発にキャラに会いに行けるとは思えなかった。
初めて一人が怖いと思った。


…でも、一人じゃない。
中身は別として、可愛いナイトが二人もついてくれるらしい。



「陸君、奏君、」

小さく呟くと二人は律儀に返事を返してくれる。


「三人で、ずっと一緒にいようね。」


にこっと笑って「もちろん!」と返してくれた陸君も

柔らかく微笑んで「…ああ、そうだな。」と返してくれた奏君も


私の大切なお友達。









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