なまえちゃんへ

この手紙を読む頃、なまえちゃんは、世界で一番幸せになっていることでしょう。
とても喜ばしいことです。おめでとう。
今日オレは、なまえちゃんに謝りたいことがあってこうやって手紙を書いています。
なまえちゃんに直接言っても多分許してくれるんだろうけど、それじゃオレが前に進めないので、こうして謝らせてください。

まず一つ目。なまえちゃんが中三の時に作ったチョコレートがなくなった事件、あのときは父ちゃんが食べたってことにしてけど、あれ食べたのはオレです。ごめんなさい。すっごく美味かった。

それと二つ目、なまえちゃんが兄貴を映画に誘ってくれってオレに頼んだことがあったけど、あれ、結局兄貴には映画の話なんて一言もしてません。
だから部活で無理だったっていうのも嘘だし、あの時兄貴は普通に福富さんと走りに行ってました。
いやー、あのときはばれたらどうしようってヒヤヒヤしたなぁ。結局オレと映画に行くことになったからばれなかったけど、多分なまえちゃんが家にいたらばれてたんじゃないかな。

三つ目。これは前にばれたけど、兄貴に彼女がいるかって聞かれたとき、いるって答えたけど、本当はいませんでした。
あの時オレは…いや、あの時からオレはなまえちゃんのことを好きで、兄貴になまえちゃんを取られんじゃないかって怖くて、あんな嘘をつきました。
可愛くて美人でおっぱいもでかい彼女がいる、って言ったらなまえちゃんが諦めるかと思って。まあ結局それはばれたんだけどね。

それで四つ目。あの時なまえちゃんは兄貴に告って振られるのがわかってたから、傷つかないようにオレが嘘ついたって思い込んで、オレもそうだよって言ったけど、もちろんそんなわけありません。
そのときオレは兄貴がなまえちゃんを振るわけないと思ってたし、そもそもオレが好きになったなまえちゃんが誰かに振られるなんて思ってもみませんでした。
だからオレはなまえちゃんが振られたって聞いた時すごくびっくりしたし、悲しかったし、嬉しかった。

最後に五つ目。もう気づいたと思うけど、あの時オレが告ったのはなまえちゃんを慰めるためなんかじゃなくて、オレのわがままです。今ならいけると思ったし、弱ってるところにつけこみました。ごめんね。

以上がオレの懺悔です。これを読んで、なまえちゃんは怒るかな。もしも怒ったら、オレのこと思いっきり殴ってください。
でもオレ、他には隠し事も嘘もありません。なまえちゃんのことが大好きだから、全部本当です。

こんなオレを選んでくれてありがとう。絶対幸せにします。

新開悠人



140708

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