周りにいた子には謝られて、あたしの周りには人が集まらなくなった。
良かった、なんて思いながら家に帰る用意をする。
「…上原って。」
秋の空は、勘違いするくらい高いけど。
住宅街に沈んでいく夕日は、怖いくらい低い。
「悪女だね。」
動きがピタリと止まる。
ボーっとしていて気付かなかったけど、すぐ近くに人がいた。
「宮…下。」
「宮が名字じゃなくて、宮下で名字ね。」
「名前が思い出せなかっただけ。」
髪の毛は黒いけど、第二ボタンまで開いてるし。
スラックスも腰で穿いてるし。
…誰が、悪女だって?
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