危ない人には着いていっちゃいけません2



「あたし、刀取りに行きたいんだけど。あれがないと春雨には行けない」
「後でね。どうせ刀持ったら斬りかかってくるんだろうし。君殺気出すぎだよ。あ、そう言えば名前何て言うの?」
「‥‥権兵衛」


あんまり言いたくなかったけど、もうこ際そんなことはどうでもいい。それよりもこいつをぶった斬る作戦を考えなきゃ。


「お、お前さっきから笑顔で殺すとか何なんだよ」
「こいつが俺の殺しの作法だ。どんな人生であれ最後は笑顔で送ってすこやかに死なせてやらないとね」


神威と晴太が話してるけど今あたしはそれどころじゃない。早く隼と虎ちゃんと再会しないと。いっそじじ様が来てくれればいいんだ。そんでこの二人が戦ってくれりゃあたしはその間に刀を取りに行ける。


「君にも覚悟というものがあるんだろう。ここから先は君の仕事だよ」


どうやら考えてるうちに日輪がいる部屋の前まで来ていたらしい。あたしは何もしてあげれないけど、晴太頑張れ‥‥!


それでもやっぱり日輪が簡単に認めるわけがなかった。晴太が大切だからしょうがないんだろうけど、苦しいよね、本当は抱き締めたいと思ってるんだろう。だってあれだけツッキーとあたしの前では晴太、晴太言ってたんだもん。


「オイラ‥‥何にも知らなかった。何にもわかっちゃいなかった。母ちゃんがずっとオイラのこと守ってくれたなんて」


晴太‥‥、ってあたしは感動してる場合じゃない!今なら周りに百華もいないし、神威もおとなしくしてる。逃げるか?いや、相手はあの夜兎だよ?


「アンタの母ちゃんなんて‥‥ここにはいない。そう言ってるだろ」
「そんな事はあるまい。そんなに会いたくば会わせてやろう。このわしが」
「ほっ、鳳仙!」
「あちゃー見つかったか」
「じじ様!」


ないすじじ様。これで逃げられそうだ。晴太と日輪を見守ってたいけど、いざというとき、隼と虎ちゃんがいないんじゃ何もできないし。


「じじ様、あたしの、」
「クク、これだろう?」


じじ様、あたしの隼と虎ちゃん持ってきてくれたんだ!たまにはやるじゃないか。


「あーあ、鳳仙の旦那面倒臭いことしてくれるなぁ」
「これでもう仲間は傷付けさせないよ」
「そんなボロボロの体の君と戦うつもりないんだけどな。間違って殺しちゃいそうだもん」


あたしが神威に斬りかかろうとした時、ものすごい早さであたしの横を何かが通り過ぎていった。それはどうやら木刀で、日輪がいる部屋の扉が壊れ、涙を流す日輪が見えた。そして現れた男。


「店長、新しい娘頼まァ。どきついSMプレイに耐えられる奴をよ」























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