気に入られたって嬉しくないときもある2



「ふぁー、眠い眠い。もう寝ちゃおうかな。あ、でも愛刀隼と虎ちゃんを手入れしないと」
「クックックッ、相変わらずだな権兵衛よ」
「ん?おー、これはこれはじじ様。こんな時間にお目にかかれるとはね。どったの?」
「今日は春雨の奴等がこの老いぼれに集りに来るのでな」


春雨かー。そいやじじ様も春雨にいたもんね。どんな奴がくるんだろ?魚人みたいなのはやだな。夜兎とかきてじじ様と戦うと面白いんだけどな。


「ありゃりゃ大変だねそりゃ。まぁ頑張ってー、あたしは寝るので」
「ククッ、まぁ頑張るとするか」


じじ様にお相手願うのはまた今度にしよう。それより今あたしがしなきゃいけないのは、隼と虎ちゃんを磨いてから睡眠をとることだ!待っててね隼、虎ちゃん!今行くから!



∵∴



「先ず俺1人で旦那のとこ行けばいいんだよね?」
「そうですけど、作戦通りに頼みしますよ」
「気が向いたらね」


ま、気が向くわけないけど。だって強い相手と殺り合える機会逃すわけないでしょ?楽しませてくれよ、鳳仙の旦那。


旦那がいるところへはすんなり通してくれたけどそんなんでいいのかなー?皆殺しにしちゃうぞ。ま、ザコを相手にするつもりはないけど。
それにしてもやっぱり、


「地球のゴハンはおいしいネ、鳳仙の旦那」
「春雨の雷槍と恐れられる最強の部隊第七師団。若くしてその長に登りつめた貴殿がこんな下賤な所に何の御用ですかな」
「人が悪いですよ旦那、第七月師団つくったのは旦那でしょ。めんどくさい事全部俺に押しつけて、自分だけこんな所で悠々自適に隠居生活なんてズルいですよ」


ほんと第七師団の団長とかめんどくさいよね。俺はただ強い奴と戦えればいいんだ。旦那みたいな奴と、ね。さぁどうやって挑発してやろうか?



∵∴



ドゴォォ


「ん、」


ドォン


「く、ふわぁ、うるさいなぁもう。折角寝てたのに。何をじじ様は暴れてんだ。さては日輪と一発しけこんでるな」


ちょっと雄叫び聞こえんだけど、どんだけ興奮してんだあのエロじじい!

ん?これはもしや春雨の奴と喧嘩中?何だ早く言ってよ旦那、名前がじじ様からエロじじいに変わるところだったよ。じじ様の喧嘩見たい!


「行くか、隼、虎ちゃん」


あたしは愛刀と共に部屋を飛び出した。音は上の方からする。早くいかないともう相手死んじゃってるかも。ま、そんな喧嘩なら見なくていんだけどさ、じじ様と殺り合える奴なんて少ないし。

わくわくしながら廊下を走っているとじじ様を見つけた。


「ん?噂をすれば‥‥‥じじ様ー!派手にやったんだね。相手はどうだった?春雨の奴でしょ?」
「あぁ、昔の弟子だ。あやつはとんだ戦闘狂でな。まだこの屋敷の中にいるがお主は近付くな」
「じじ様の弟子ってことは夜兎か、強そうだね。近付くななんて言われると余計近付きたくなっちゃうな」
「ククッ、やはりお前も血には抗えんな。夜兎でもないのに面白い奴よ」
「いや、別に戦うつもりはないよ。じゃ行ってきます」


じじ様の弟子かー、相当強いだろうな。名前は神威、だっけ?おじさんかな?それともお兄さん?でもじじ様の弟子だからそこまで歳はいってないよね。早く会いたいな。


「あ、姉貴!」
「ん?どした?」
「春雨の者に百華の者が次々と殺されています」
「殺された?なんで百華が殺されなきゃいけないんだろ?ま、仲間を殺されたんじゃ黙っておけないね。ただ会うだけじゃすまなそうだ」


あたしはその神威とやらがいる場所に向かった。途中、倒れてる仲間を何人も見かけた。さっき聞いた通り全員死んでた。しかも全員一発で殺られてる。早く見つけないとまた仲間が殺される。音がする方に走っていくと、人影が見えた。

遂に見つけた、仲間を今まさに殺しているそいつを。


「ん?また来たのか。けど2人でいいの?少ないんじゃない?」
「いや、もうこれ以上仲間は傷付けさせない。あたし1人でいい」
「姉貴!」
「へぇー」
























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