普段意地悪な奴が優しいときには気を付けろ1



権兵衛を担いで廊下を歩く。
権兵衛のことは結構担いだけど、いつ担いでも軽いなぁ。ちゃんとご飯食べてるのかな?


「おや、団長どうしたんですかい」
「今権兵衛と手合わせしてたんだけどさやり過ぎちゃったみたい」
「おいおい、女の子なんだから大事にしてやれよ」
「いや、権兵衛なんて部屋でいきなり飛び蹴りしてきたからネ」


よけたけどね。簡単に蹴れると思っちゃダメだよ。ま、楽しいからいっか。


「そう言えば権兵衛が地球行きたいって言うから連れてってよ」
「はぁ?ハーフって知って地球行きたくなくなったんじゃなかったのか?」
「権兵衛が先生とか仲間に嫌われるって言ってたから俺がその誤解を解いてあげたんだ。優しいだろ?」
「団長がそんなことするなんて信じられねぇな。何か考えてんだろ」


流石は阿伏兎。俺の部下だけあるね。まぁ鋭くて頭が回るからこそ残しといたんだから当たり前か。


「侍の強さは仲間がいることで増すんだ。それは吉原でよく学ばせてもらったよ。何もなくなった権兵衛より、大事な仲間や守る奴がいる権兵衛の方が強いと思ったからさ」
「相変わらずだな団長も。でもそのせいで俺は地球行かなきゃなんねぇし仕事が増えんだよ、このすっとこどっこい」
「まぁまぁ。俺も行くからさ」
「当たり前だ。でも上の許可ないと行けねぇぞ」
「だからそれを含めて頼んでるんだろ?よろしくねー」



∴∵



部屋に帰ってきてベッドに下ろしたところでようやく権兵衛は目を覚ました。


「おはよう」
「っつ、てめぇ相当やってくれたな」
「いきなり飛び蹴りしてきた権兵衛に言われたくないかな」
「あれはお前が悪い」


あの雰囲気のなかヤらせてはないだろ。感謝したあたしがバカだったよ。


「そんなこと言ってると、地球に連れてってあげないよ」
「え?逆にほんとに連れてってくれんの?」
「俺は優しいからね、もう阿伏兎に言っといたよ」
「じゃああたしあぶさんと2人で行くよ」


それにしても体動かしたから汗気持ち悪い。シャワー浴びたいなぁ。それにしてもこいつは汗とかかかないのだろうか?


「俺も行くに決まってるでしょ?あと、最初に言っとくけど地球で権兵衛を1人にさせるつもりはないヨ」
「はぁ!?なんだお前、付きまとう気か!」
「だって権兵衛逃げるでしょ?鬼ごっこは嫌いじゃないけど、あんま地球に長居するわけにはいかないし」


うわー、最悪。こいつがいたら吉原も行けないし、銀時にも会えないじゃん。ストーカーかこいつは!


「逃げないからお願い!」
「これだけは譲れないよ。それでもやだって言うなら地球には行かない」
「ちきしょー。せこい奴め。そう言われたら何も言い返せないだろー。もう諦めるからシャワー浴びてきてもいい?」
「最初っから素直に言うこと聞いてればいいんだよ。じゃあ適当に着替え探しとくから行ってきていーよ。俺も途中で行くから待っててネ」
「黙れ変態が」


変態発言をしているバカを放っておいて部屋についてるバスルームに向かう。部屋にバスルームついてるとか生意気だな。てかそもそも部屋広すぎ。でもまぁ春雨の野郎共と同じ風呂に入るのだけはごめんだからよかったかな。
























「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -