あぁあたしにはもう何もなくなった。何で神様はこんなに酷いんだろう。
あたしは小さい頃からバスケが大好きで高校生の今までずっと続けてきた。現にこの前まで普通にやっていたのだ。それが一瞬で全部取り上げられてしまった。誰も悪いわけじゃない。いや、"誰も"ではないかな。あたしただ1人だけが悪いのだ。試合中にいきなり、足からブチッという音が聞こえたと思ったら、もう前に進めなくなっていた。
医者に行ったら靭帯がきれたのだと言われた。原因は足に過度の負担を掛けたから。確かに足が痛いと感じたことはあった。けど休みたくなくて、ずっと我慢した。完治には1年以上掛かるらしい。でも、完治したら普通にバスケができるのかと言うとそうじゃない。もう激しい運動はできないかもしれないのだ。あたしからバスケをとったら何も残らないのにね。今さらどうにもならないのは分かってるけど、とにかく憎い。靭帯がきれてしまうような弱い自分の足が。無理をし過ぎた自分が。憎むべき相手はあたし自身。
あぁもうあたしには何もなくなった。 世界から色が消えたようにさえ思える。
もう世界が色付くことはないのだろうか
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