「花子ー!俺と一緒だぞ!」

げ、田島。うるさそうだなぁ。
てか、



「抱き付いてこなくていいから」

「んだよー、俺と花子の仲だろー」

「ただの友達でしょー」

「花子田島と大変そうだなー。襲われそうになったら逃げろよ」



冷静なツッコミ役いずみん登場。
うんうん、わかってるね泉は。



「そうする。泉は誰と回るの?」

「マネと組めなかった奴らはみんな1人行動」



え、ちょっと怖くないそれ?
よかったマネは孤独じゃなくて。

田島をのけ者にして泉と話してる間に、もう1番の阿部は出発したみたいだ。



「あ、俺次だ。じゃあ気を付けろよ花子」
「うん。いってらしゃーい」



泉に手を振って見送る。



「俺たちは栄口の次の4番だからな!」

「ん」



どうやらちよは三橋と組んだらしい。
どっちも臆病だな。
でも三橋なら変なことしないだろうから安心かも。



「そろそろ行くぞー!」

「おぅ!」



2ルートあって、順番に行くからあたし達は泉と同じルートを行く。
頂上らへんにいる志賀先生から何かもらってくればいんだよね。



「なぁ花子ー、怖いー!って言って抱き付いてくれてもいーんだぜ」

「いや、ないから。怖くないし」

「つまんねぇ!じゃあせめて手繋ごうぜ」

「えー、しょうがないなぁ」



田島の暖かい手を握る。
何でこいつこんな体温高いんだろ?
あたしが冷たいのかなー。



「俺、花子の手好きなんだよな!すべすべして柔らかいから」

「なんか田島が言うと変態みたい」

「ひでー!変態ってのはこういうことだろー」



と言ったと思ったら、引き寄せられて首筋をべろりと舐められた。



「うぎゃ!」

「ははは!色気のねぇ声ー」

「変態アホ田島の所為だ!」



握ってた手を振りほどこうとしたけど、逆に指を絡められて恋人繋ぎになってしまった。



「最悪田島!そんなことばっかりやってるとね、軽い男だと思われるからやめな」



無邪気にもほどかあるだろ!
お前は動物かってんだ。
でも不覚にも顔に熱があつまっている。



「‥‥‥俺、こんなこと花子にしかしねぇ」



さっきまでの笑顔が消え、急に真剣になる田島。
こういうギャップってずるいと思う。



「どういう意味?」

「だから!俺は花子が好きだからこんなことすんの!」



それって、もしかしなくても告白ですよね?
とか確認するのは野暮な気がして。

「花子は、俺のこと嫌い?」



うわ、いきなり捨てられた子犬になった!
そんな可愛い顔で見られたら嫌いなんて言えるわけないじゃん。
もちろん言うつもりもないけど。



「あたしもね、エロくて強引だけど、たまに真剣で明るい田島が好きだよ」

「っ!花子ー!」



がばっと、さっきみたいに抱き付かれる。
けど、さっきと違うのはあたしも抱き締め返したこと。



「大好きだ!」



やっぱり田島は笑ってた方がいいね。



「あたしも!」






(田島と山田が帰ってこねぇ!)
(田島に襲われてたりして)
(((田島ー!!)))



もう2人の世界に入り込んでしまった田島達。笑
志賀先生いつまでも待ってます。






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