あるところに、花子という少女がいました。
花子はいつも赤い頭巾をかぶっていたので、赤ずきんと呼ばれていました。
「花子、花井のお見舞い行ってこい」
「ちょっ、泉、花井じゃなくておばあさんでしょ!役なんだからちゃんとやってよ」
って言ってる花子も泉って言ってる。
「あ。ごめん西、じゃなくてナレーターさん」
「ナレーターに話し掛けてんじゃねぇよ。さっさと行け」
意地悪なお母さんに蹴られながら、赤ずきんは家を出ました。
「あ、そういやお見舞いなのに何も持ってきてないや。まぁ花井だしそこら辺の石とか草でいっか」
駄目だよ花子、別に石でも草でもいいけど花畑寄ってくれないと。
狼役待ってるし。
「はーい。てか狼役誰なんだろう」
「俺だよーん」
赤ずきんが花畑に向かうとそこには先客が。
「田島か。何かわかるかも」
「まぁ俺が立候補したからな!」
「何で立候補したの?そんな耳と尻尾まで付けなきゃなのに。いや、似合ってるけどさ」
「そんなん決まったてんだろー!花子は鈍感だな。阿部とか水谷も立候補してたぜ。ま、俺がじゃんけんで勝ったけどな」
ちょっと花子、早く行ってくれないと物語進まない。
田島も早く準備しないとでしょ。
「ごめんなさい(あたしって鈍感なの?)」
「じゃーな花子!また後で」
「(狼さき行っちゃ駄目じゃね?ま、いっか)」
そしてやっと赤ずきんはおばあさんの家に向かい始めました。
「(西広嫌味いってるし、イラついてきてる!?こっからはちゃっちゃと行かなければ)」
ダッシュでおばあさんの家に向かった赤ずきん。
飛び蹴りで扉を壊し、中に入りました。
「はーないー!お見舞い来てやったぞコノヤロー。お土産もあるよ」
おばあさんが寝ている部屋に向かう赤ずきんですが、一向におばあさんからの返事はありません。
「はない?」
布団を捲るとそこには獣の耳が見えました。
「田島くるの早いね。そいやさっき聞けなかったけど何で狼役やったの?」
「それはなぁ、花子のことを食べるためだ!」
狼は赤ずきんをベッドに引き摺りこみました。
「ちょ、待て!あれは!?猟師!」
「三橋が猟師!だけど俺がこなくていいよって言っといたからな」
猟師は外でオロオロしています。
そしてそれをおばあさんが見てイライラしています。
「三橋か花井助けろ、やっ」
「まぁ助けてくれる奴はいねぇから諦めんだな。そんじゃ西広おつかれ!」
「待って西広!ん、やだ」
「お前はおとなしく俺に食われてりゃいーの」