元希そろそろ部活終わったんだろうな。
疲れて帰ってきてあたしからのメールなんて見るかな?
今日見ないで、明日学校で見られたりしたらどうしよう。
恥ずかしくて死ぬかも。
でも早く仲直りしたいしな。

もう腹括るしかない!
元希を信じよう。




何時もよりもすっげぇ長く感じた部活がやっと終わって家に着いた。
いつもみたいにコンビニには寄らずに急いで帰ってきた。
早くなみに会いたくてしょうがねぇ。

エナメルだけ自分の部屋に置いて、なみの家に行く。

最初に何て言やいいんだ?




馬鹿な自分の脳をフル活用してメールを作った。
元希と喧嘩して謝るのは初めてかもしれない。

あぁ、送るの緊張する。
送信ボタンを押せばそれで終わりなのになかなか押せない。
どうしようどうしよう。

よし押そう!
やっと決心がついて、送信ボタンを押したのと同時に部屋の扉が勢い良く開いた。

「よぅ」
「も、もとき」

最悪最悪最悪。
今送ったばっかなのに!
目の前でメール見られるのやだよ!
元希が気付きませんように!

そんなあたしの願いが叶うことなく、部屋に着信音が鳴り響いた。
何でエナメルは持ってないのに携帯は持ってんだよ!

「あ!元希、部活お疲れ!あのほらもう疲れてるだろうし今日は帰ったら!」
「今来たばっかだろ。何そんな慌ててんだよ」
「いや別に何にも慌ててないよ」
「ふーん」

訝しそうにあたしを見てから携帯を開く元希。
あたしはそれを阻止すべく、元希から携帯を奪いとった。

「てめっ、何すんだよ!」
「ちょっとだけ待って!」

新着メールを開いて一生懸命に考えた自分が送信したメールを消す。

のは元希に携帯を取り上げられて出来なかった。

「やだっ見ないでよ!」
「あー、お前が送ったメールか」

高々と上げられた携帯を取り返すことは出来ず、元希にメールを見られる。

黙ってメールを読む元希に、あたしは沈黙に耐えることしか出来なかった。


パタン

元希が携帯を閉じて、あたしに顔を向けた。





    
  












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