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かっこいいって言ったら、元希すっごい照れてたな。
あんな照れてるとこ見んの久しぶりかも。
怒られそうだから急いで帰ってきちゃったけど。
今日は色んな元希を見れたから良かった。

確かにあたしには人より何倍も俺様だし、ムカつくときもあるけど、ほんとはいい奴ってこともあたしが1番知ってるんだ。


あたしは携帯を開いて電話帳から隆也の名前を引っ張りだした。


『何?』
「何って酷くない?隆也の声が聞きたかったってのが理由じゃ駄目なの?」
『彼氏みたいに言うんじゃねぇよ(俺はなみのこと嫌いじゃねぇけど)』
「てへ」
『で?また榛名と何かあったのか?』
「何かあったっちゃぁあった、かな?けどね悪いことじゃないよ」
『(付き合い始めたとかじゃねぇだろうな?)じゃあどうしたんだよ』
「今日試合見たんだけど、元希ね、80球以上投げてたの!なんかね、一生懸命だった。そんでね、ちょっとだけ優しかったんだ」
『‥‥それを言うために電話したのかよ』
「隆也にね、元希が変わったって知ってほしかったから」


やっぱり元希の話題だと隆也は機嫌が良くない。
でもね、隆也に元希最低って思われたままでいてほしくない。
隆也に嫌な思いだけを残してほしくないんだよ。


『今さらどうでもいいんだよ。どうせ俺達が組むことはもうねぇだろ』
「そうかもしれないけど‥‥‥あっ、じゃあ今度3人で会おうよ!」
『はぁ!?嫌に決まってんだろ!』
「お願い!場所はどこでもいいから!」
『そういう問題じゃねぇよ!』
「だってもう会う機会ないかもなんだよ!」
『大会とかで会えんだろ。それに俺は榛名と話すことなんてねぇ』
「今までのことは水に流してら仲良くしようよ」
『俺はあいつの性格からして無理なんだよ』
「だから元希変わったんだって!それを感じてほしいの」
『そもそもあいつも俺も部活でそんな余裕ないだろ』
「隆也が都合いい日にいく」
『あのなぁ、』
「お願い!」
『‥‥はぁ、分かったよ。でも少しだけだからな。あと絶対お前もこいよ?あいつと二人きりにはなんねぇぞ』
「分かってるって。じゃあ都合のいい日ができたら教えてね」
『おー』
「じゃ、また今度ね」
『じゃーな』


隆也は説得できたから今度は元希を説得しないと。
あいつは頑なに拒否するだろうけど、絶対説得してみせる!
あの二人が仲良くってのも逆に気持ち悪いけどさ。
元希はそんな隆也のこと嫌ってないし。
元希変わったから大丈夫だよね。
もし高校でもバッテリー組んでたらどうなってたんだろう?
まぁ、あり得ない話なんだけど。


とにかく隆也に会えるの楽しみだな。






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