あたしは田島悠一郎の彼女だ。
でも別にあたしは好きで付き合ってるわけじゃない。
田島に弱味を握られてしまったわけだ。
田島は裏がある。
いつもの学校での顔はただの演技でしかない。

でも田島は本当にあたしを好きでいてくれてると思う。
狂ってると思うところもあるけど。


「田島さ、何で性格偽ってんの?」
「んー、何でだと思う?」
「わかんないから聞いてるんでしょ」


今は田島の家にいて、後ろから田島に抱き締めてられてる。
時間があるときに連れていかれるのはいつも田島の家。


「あんなバカなふりまでしてさ。西浦にそこまでのバカが入れるわけなけないし」
「だーよなー。でもみんな俺が馬鹿だって思ってんの、笑えんよなー」


あはははっ
なんていつもとは違う蔑んだ笑いかた。
田島は演技がうますぎると思う。
二重人格なんじゃないかと疑うくらい。
だから気付いてるのはあたしだけ。
そんなあたしに田島は目をつけた。
気付かなければ、なんて今さら遅い。


「でもジェニファー気付いたよなぁ。だから俺ジェニファーんこと好きなのかも」


とてもじゃないけど、あたしも。とは返せない。
だからといってあたしは好きじゃないとも返せない。
田島の前であたしは感情をなくすしかない。


「あー、ジェニファーまじかわいい。俺から離れていくとか絶対許さねぇ」
「もし離れようとしても田島は離してくれないでしょ」
「当たり前だろ。誰が好きな女易々と離すかよ。それにジェニファーは俺から離れていけねぇしな」


あたしの意思なんて関係ない。
大人しくしてれば優しくなって、抵抗すれば脅してきたり怖くなる。
いっそ好きになった方が楽なんだろうけど、それもできない。
だってあたしには好きな人がいるから。


「ジェニファー、愛してる」
「‥‥」
「返事は?」
「‥‥あたしも、」
「ちゃんと言えって」
「あたしも愛してる」





トラジカルパレード




田島は絶対に腹黒いと思う。
そして西浦はさりげなく偏差値高いのさ。

お題提供箱庭様より







 




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