どれくらい逃げただろう。
疲れてもう走れない。
でも高瀬が追い掛けてくるから逃げなきゃ。
そもそも何でこうなったんだっけ?


昼休み、高瀬に旧校舎に呼び出されて、行って。
告白されたんだけど、お互いのことよく知らないしって断った。
そしたら、今まで優しい感じだった高瀬が急に変わって、それが怖くて逃げたんだ。
旧校舎はあんま人こないし、出口が1つしかない。
だからあたしは今出口に向かってるんだ。

この階段を降りて廊下を真直ぐいけば出口。
後ろから高瀬の気配はしないけど速くしなきゃ。
新校舎に戻ったら2年の階まで行って誰かに助けてもらおう。




「はぁ、はぁ‥‥‥なん、でっ?」
「よぉ、ジェニファー。お疲れさまー」


逃げ切れる。
そんな希望の光は高瀬によって断たれた。
高瀬が唯一の出口の前で待っていたのだ。


「なん、で!?なんでいるの!?」
「ジェニファーを出口とは逆の階段に追い込んでから、俺は出口側の階段に戻って降りたってわけ」


はめられた。
どうしよう。
出口はここだけだし、窓も全部木が打ち付けてある。
叫んでも新校舎の方には聞こえないと思う。
あたしがこの場から逃げてまた上の階に逃げたって高瀬は追い掛けてこないだろう。


「人が話し掛けてる最中に逃げるなんてジェニファーは酷いなァ」
「だって、高瀬が急に変わって‥‥!や、こっちこないで!」
「急に変わったんじゃなくて、今までのが嘘でこっちがほんと。俺そんな爽やかで優しい奴なんかじゃないんだわ」


どんどん迫りくる高瀬。
逃げるしかない。

けど、どこに?

確かに逃げ場はないけど、授業始まっても戻らなかったら友達はあたしがここにいること知ってる。
だから先生とかが探しにきてくれるかもしれない。
そう思ったら少し落ち着いた。

けど、高瀬は計画的すぎた。


「先生には保健室に居るって言ってあるから誰も来ないぜ」


心を読まれみたいに言い当てられて、あたしは廊下に座りこんだ。


「やっと諦めたか?まぁ、その方が賢明だな。俺だってジェニファーが抵抗しなければひでぇことしねぇよ。本当にジェニファーのこと好きだからな」



近付いてきた高瀬に唇を奪われて押し倒され、抵抗すれば手首を拘束され。


何度も好きだ、と囁く高瀬の欲望のままに汚された。






(これからもいっぱい愛してやるからな)




準太は爽やかな顔して腹黒だと思う

お題提供 箱庭様より






 




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