そいつとは塾で出会った。
高校は違うから、会えんのは塾でだけ。
俺はあいつに会いたくて部活で疲れた体を引き摺って塾に向かう。
さいたま市内の塾で便がいいからか、色んな高校から生徒が集まってくる。


「この前の試合どうだったの?」
「俺のおかげで余裕勝ちだった」
「いやいや、榛名のおかげではないでしょー」


初めは何も喋れなくて、一生懸命話し掛けてやっと普通に話せる関係にまできた。
静かな奴だと思ってたけど、話してみると会話がはずんだ。


いつもはジェニファーと俺を含めて4人だけど、今日は2人が休みで、ジェニファーと2人きり。
授業の内容なんて全く頭に入んねぇし、いつもは長く感じる授業が今日はあっという間だった。


「宿題はここまでな。んじゃ今日は終わり」
「やっと終わったー」


外を見ればもう真っ暗。
まぁ10時だからしょうがねぇか。
ジェニファーがいつも一緒に帰ってる奴いねぇし送ってった方がいいのか?
俺が1人ぼーっと考えてると、ジェニファーが話し掛けてきた。


「あの、今日さ駅まで一緒に行かない?」


自分から言うまでもなかった。
ないす、ジェニファーの友達。


「おぅ」
「ありがとう!暗いし1人じゃ怖かったからよかった」


あー、こいつの笑顔たまんねぇな。
そりゃ断るわけねぇだろ。



夜の街を並んで歩く。
付き合ってるみてぇに見えんのかなとか考えたら、柄にもなく恥ずかしくなった。


「こうやって2人きりになんのって初めてだね。なんか緊張する」
「そうだな」
「共通の話題とかあんまりないもんね。うーん‥‥あ!うちの野球部もそこそこ強くてさ、エースが2年なんだ」


わかってる、これは俺との会話を続けるために話してるっつーのは。
だけど、好きな奴の口からライバルでもある男のことを聞くのは嬉しくねぇ。


「あぁ、知ってるぜ。高瀬だろ?試合したことあるからな」
「そうなの?高瀬と榛名って全然似てないよね」
「お前あいつのことよく知ってんのか?」
「ん?あぁ、同じクラスだからね」


羨ましすぎだろ、高瀬。
まぁ俺が桐青のスカウト断ったんだけどな。
別に付き合ってるわけじゃねぇみたいだからいっか。
ジェニファーはあいつに気があるわけでもなさそうだしな。
さっさと告白した方がいいのかもしんねぇけど、今はもう少しこのままの関係でいい。



甘い痺れに夢中




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たまには奥手な榛名もいいかもしれない

お題提供>>ステラ様より





 




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