今俺は朝練が終わって、教室に入り一息ついてる。
でも、隣の席のジェニファーがガン見してきやがる。
これは断じて自惚れとかじゃない。
ちらちらっつぅ、好意を寄せている見方じゃねぇし。
「んだよ」
「多分あたしが投手だったら、榛名より上手いよ」
我慢出来ずに聞いてみれば、予想外の言葉と、自信満々な顔にイラっときた。
こいつのことは秘かに好きだったりするが、これとそれは別だ。
第一、好きな奴に投手として負けるのは情けねぇだろ!
「んなわけねーだろ!」
「何その自信?ノーコンのくせに」
お前こそ何だよその自信は!?
つか、
「何で俺がノーコンなこと知ってんだよ!?」
「隆也」
「は!?何でお前隆也のこと知ってんだよ?」
実は付き合ってたりしねぇよな?
名前呼びだし。
もしそうだったら隆也ボコってやる‥‥!
「あたしねぇ、妹が西浦野球部のマネで、よく試合見に行くんだ。だから西浦の人達と仲いいの!」
「あっそ。つか俺はお前に投球勝負で負けねぇから」
何だよ、むかつく。
隆也と付き合ってねぇのはよかったけど。
俺の試合は見に来たことねぇのに、西浦のはよく行くとかふざけんな!
お前も野球部のマネやれよ!
まぁこいつはそういうめんどくせぇの嫌いだろうけど。
「え〜?ノーコンには負けないと思うなぁ」
「ノーコンだけどなぁ、球は速いんだよ!」
「ほんとー?じゃあ確かめるために、試合での榛名の投球見てあげるよ」
俺の好きな笑顔とともに口からでてきた言葉。
普通だったら上から言われんのすっげぇムカつく。
だけど、今はそんなこと全く気になんねぇ。
「言ったな。お前絶対見に来いよ?俺の全力投球見せてやるよ」
「うん、楽しみにしとくよ、榛名のノーコン全力投球」
「なっ!ぜってーお前見たら惚れるからな!」
「まぁ、頑張りたまえ」
こいつのためなら、全力投球してやってもいいかな?なんてがらにもなく思ってみたり。
ノーコン野郎の恋
(榛名に投球で勝てるとか思ってないし)
(ただ榛名の試合見に行く口実)
(もう惚れてるっつーの)
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実は両想いな2人。
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