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グリーンさんはレッドさんの事しか見てないって、そんなの最初から分かっていた。だからといって俺がグリーンさんを好きな事は変わりないし、諦める気なんて少しもない。ただ、グリーンさんはレッドさんのだって事は一応これでも分かっているつもりだ。
「グリーンさーん、遊びにきましたよー」
ジムの扉を開けて叫ぶ。そうするといつものようにグリーンさんは嫌そうな顔をして溜め息を吐くんだ。ジムに通うのは俺の日課になっている。だって好きな人には毎日会いたいだろ?例えそれが迷惑だと思われてようと俺は構わない。どのみちグリーンさんは俺のものにならないのだから。だからこそ俺は自分のために生きるって決めた。好きな事して、嫌われても迷惑だと言われても、俺は毎日グリーンさんに会いに行く。
「お前本当暇人だな」
「何言ってんですかー、暇人じゃないですよ!グリーンさんに毎日会うのは俺にとって最早生きるために必要ですから!」
笑顔で言う。笑っているとグリーンさんは優しいから俺を追い返す事が出来ないって分かってるから。狡い、だなんて言われたって別に良い。ていうか勝手に言ってろよって感じかな。人間誰だって気持ちとかそういうのを利用するよね。別に俺が気持ちを利用したって人間だから問題ないのさ。

「今日レッドのとこ行く予定なんだけど」
「えー、別に行かなくても良いじゃないですかー。一昨日も行きましたよね?」
「あいつはかなりの頻度で様子を見に行かなきゃなんねーの。あいつろくに飯食べねーし。あああほらそう考えたら今行かなきゃだめなんだって!」
「グリーンさん、あんたどんだけレッドさん中心で回ってるんですか」
そう言うとグリーンさんは嬉しそうに笑って当たり前だろ、と言った。ああもう悔しいなあ。やっぱり俺じゃグリーンさんを引きとめるなんて無理か。悔しいなあ。
「俺、帰ってくるの遅くなるから待ってても意味ねーぞ!じゃな!」
グリーンさんは手を振って扉を開けた。レッドさんのとこに行く前に家に戻ってマフラーとかリュックとかを持ってくるんだなって思うとレッドさんが羨ましい。これ程他人に尽くす人はいないのだから。羨ましいなあレッドさん。そんな事を考えながらジムから出て行ったグリーンさんを見ると悲しくなった。それと同時に吐き気もした。俺、何やってんだろ。


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