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グリーンをおかしく思ったのはつい最近だった。目はどこか虚ろだし、発言が今までとは確実に違うし、何よりおれを見る目が尋常じゃないくらいの愛に溢れたような目だった。おれはそれを嫌だとも思わない。それほどおれが愛されている証拠だと喜んでいた。だからこの状況になったのも半分はおれの意志なのかもしれない。手首を縛りつけている縄が更に食い込んだ。

「ねえ、グリーン。おれは逃げる事なんてしないよ」
「知ってる。知ってるよレッド。だけど不安なんだ。レッドがいなくなったら俺、そんなの耐えられないから。痛いかもしれないけど我慢してくれよ」

これじゃあ君を抱き締める事なんて出来ない。大丈夫だよ、と優しく抱き締める事なんか叶わない。グリーンには愛というものをちゃんと表現してあげなければいけないというのに。抱き締めさせて、とグリーンに言うとグリーンは嬉しそうに笑って俺が抱き締めてあげると言った。だめ、だめなんだよグリーン。おれが、おれが抱き締めてあげないと。抱き締められるのじゃだめなんだ。ぎゅうう、とグリーンがおれを抱き締めるのが分かって思わず泣きそうになった。おれはグリーンに必要な存在なんだ。おれにもグリーンは必要だし、ああ。ねえ、どうすれば君は信頼してくれるんだ。グリーンの体温が優しさそのもので、おれはごめんねと呟く。そうするとグリーンは自分を責めるように、だけれどおれを強く強く抱き締めておまえが謝る必要なんてないだろ、と言った。グリーンの肩が震えている。

「…泣いてるの。寂しいの。大丈夫だよ、おれは逃げないしずっと一緒にいるよ」

グリーンの肩に額を乗せて言うと、グリーンの手がおれの頭の触れた。相変わらず優しいそれに俺は目を閉じる。とても穏やかな時間に思えた。きっとグリーンは寂しいんだ。だからこんな事をしているんだ。それでもおれは嫌いにならない。喜んで受けとめてあげるよ。ちらり。盗み見たグリーンのポケット入っている鈍く光る銀色のそれを目の端にいれながらおれは愛を囁いた。

間違いではないと
(これはふつうのあいだから)


◎緑が病んでいる設定、というリクを頂いたので意気込んで書いたのですが見事沈みました\(^o^)/





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