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学パロ

「そういえばおまえ、告白されたんだって?」

某ドーナツ店内。コップに並々と注がれたアイスコーヒーと同時に氷をストローでかき回すとカラカラとぶつかりあう音がして俺はその音に頬を緩ませた。昔から、軽快なこの音が俺は好きだ。きっとそれは俺はまだ赤子の頃に良く聞かされた"がらがら"の音にそっくりだからじゃないか、と俺は思っている。赤子っぽいってのは充分承知だ。まあ取り敢えず俺はそのアイスコーヒーを飲むわけでもなくただかき回しているだけで満足感を得られるわけだ。おっと話が逸れた。俺の問いになかなか答えを出さないレッドを訝しげに見やると、何だか哀れな気持ちになる。本当、無理に詰め込むとこ変わってねえよな。

「おっまえドーナツ口に詰め過ぎだ!」

一生懸命にもぐもぐ口を動かし消化をしようとしているレッドに対して今更な事を言いたくなるのは仕方がない。昔からそういう性格なのだ俺は。レッドが頼んだオレンジジュースの入ったコップを手渡し飲め、と促す。口の中にはストローを挿入できるくらいの隙間がないんだか何なんだかは知らないが、レッドは首を横に振った。待つ事にしよう。レッドの事で待たせられるのは慣れてる。暫くして全てを飲む込むに至ったレッドはオレンジジュースをもの凄いスピードで吸い上げ、告白されたよ。何で知ってるの、と言葉を紡いだ。

「校内で一番可愛い子に告白されたって有名じゃん。で?オーケーしたわけ?」
「…まさか。興味とかなかったし、面倒だし。あまり可愛くなかったよ」
「おまえの目は節穴か。面倒ってのは俺も認めてやるよ。他人と付き合うってのは本当に面倒だからな」

それじゃあ、俺とドーナツ食べるのも面倒なの。そう聞いてきたレッドの頭を平手で叩いてやると不思議そうな顔をする。ばーか。俺とおまえ、他人じゃねーだろ。幼馴染だろ。ドーナツを齧るとカスタードクリームの甘さに俺はまた頬を緩めた。あー、うめえ。次は何食べようかな、と考えてるとレッドが俺の名を呼んだ。

「何だよ」
「ありがと」

別に、とだけ返すとレッドは嬉しそうに笑ってドーナツを頬張る。レッドが告白の返事をノーと返した事に俺は少しだけ安堵していた。俺も相当やばいな。自重気味に笑うと氷がまた、軽快な音をたてた。この氷みたいに俺の気持ちも軽くなればいいのにな。

とある日常の





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