今日も今日とて紫の空を走り抜け、任務を遂行する。あまり難しい任務では無いのでとくに任務自体に思うところは無いが、最近、私たちに課せられる任務が、イッシュ地方への出張が多いような気がする。そのことに特に問題は無いのだが、往復にものすごく時間がかかるので、スクーターへの愛しさが募るばかりだ。はやく上級ムーロになってノーテに運転してもらわねば。私の企みをノーテも薄々感じ取っているのか、流され始めたのか、スクーター教習所に通うか考えあぐねているらしい。この前ベッドの下のエロ本調査ををしたところ、お目当てのものとは別にスクーター教習所のパンフレットが出てきたから。

今回の任務の目的地は、いつぞやと同じヤグルマの森。実はこの一ヶ月で、ヤグルマの森を訪れるのは五回目になる。そして任務として解決する事件はまったく同じ手口なのだ。流石にこれはおかしい。つないだ手からはノーテも違和感を感じていることがわかり、今回の報告書にはその違和感を明記せねばならない。シャドーボールで木っ端微塵に砕けた光のボックスの破片の一番大きなものを何かの時のために回収する。犯人が捕まっているはずなのに、これだけ連続して全く同じ手口で全く同じ場所で事件を起こしておいているのは異常だ。もしや、犯人は他にいるのかもしれない。
なんて、ポリスや名探偵ぶってみるけれど、考えすぎかもしれないから、政府の意向に純粋に従っていよう。

「こーいうのは俺らの仕事じゃねえし」
「ま、そーゆーことだね」

もし何かの事件の始まりだったとして、起こってから、犯人を潰せばいい。それくらいの実力は、ちゃんとある。二人なら、大丈夫。



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