それぞれの価値観
「ヤマト」
「ん、おいで」
甘えた声で寄り添ってくる名前。
何時でもボクを優先に考えてくれる君。
そんな彼女に想われているボクはきっと幸せ者で。でもボクきっと君を幸せには出来ない、だってボクはいつ居なくなるか分からない立場で君を悲しませる可能性が高いから、必ず不幸せにしてしまう。
それを伝えると、名前は悲愴な面持ちを見せながらも微笑みながら言葉を紡ぐ。
「それでも、貴方に逢えて幸せなの」
「ボクだって…そうさ」
「だったらそんなこと言わないで、最後まで居させて」
そっと、持たれてくる名前を抱き締める。
あぁ…なんて、か弱い身体なんだ。
ボクが一番大切で守らなきゃいけないのは彼女、忘れていたつもりはないのに、どこかでその事が薄れていたのかもしれない。
生きたい、生き抜かなきゃ、傍に居たい。
「幸せ、不幸せなんて人それぞれ。私はヤマトがいる時点で幸せなの、不幸せなわけない」
「んもぅ…君ってやつは」
ボクに出逢えた時点で幸せだなんて…
それこそ、幸せだ。
「じゃあ、ずっとボクの傍に居てね」
「うん、ずっと傍に居させてねヤマト」
見つめ合い、額を触れ合わせ手を取り合う。
繋いだ手は最後の瞬間まで離しはしない。
fin
***
相互記念。
お出汁様に捧ぐ!
20170201
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