ぐちゅり。

「あっ!……………っ?」

予想していた痛みが来ない。かたらは恐る恐る目を開く。

「ぎ、んにぃ…?」
「…ばぁーか。本気で入れると思ったか?」
「え……入れないの…?」
「イヤ、なんつーか…怖い。…お前が壊れちまったら、困るし…」

この小さすぎる入り口にとても自分のモノが入るとは思えない。しかし、心のなかでは無理矢理にでもねじ込んで、かたらのすべてを奪いたいという独占欲が渦巻いていた。
理性と本能の葛藤。

「わたし…平気、だから…していいんだよ…?」
「…無理に繋げたくねーんだよ。それに……」

くちゅっ…
銀時は自分のモノをかたらの秘部に擦りつけた。

「ふぁ…っ」
「気持ちよくなる方法はいくらでもあんだろ…」

濡れそぼった互いの性器を擦りつけるだけでも十分に快感を得ることができる。
くちゅくちゅと水音をたてて、銀時の陰茎の先はかたらの割れ目をなぞり浅い肉襞、膣の入り口に刺激を与えた。腰を上下に動かせば、ぬるりと亀頭にまとわりつく愛液。蜜が溢れて動きが加速する。

「はぁっ…やぁ…だめぇ…っ」
「んっ……ダメ?俺はっ、気持ちいーけど?…はぁっ…、かたらは気持ちよくっ、ねーの…?」

銀時はかたらの一番敏感な部分をやさしく押し潰すように擦る。小さな芽をしつこく責めてかたらを快楽へと追い込んでいく。

「あっ…、はぅ…っ…ぎん、にぃ…っ」
「これでもっ、…気持ちよくねーか?…んっ、…どーなんだ?…ちゃんとっ、答えろ…っ」
「…んぁっ、気持ち…いぃ…っ」

素直に答えるかたらが可愛くて、銀時は満足気に口元を緩ませた。もう限界が近い。
目の前で淫らに悶え震えるかたらの表情も、幼くもどこか艶かしい身体も、脳を痺れさせる甘美な喘ぎ声も、互いの愛液でぐちょぐちょに密着し合うそこも、何もかもが快楽へと誘う。かたらに陶酔していく。

「はぁっ、俺っ…もうイキそ……お前は…?」
「あぅ…わたしもっ……だめぇ…っふあぁ……あぁっ!」

かたらの背が弓形に反り、爪先がぴくんと突っ張った。それを見届けて銀時も吐精する。

「く……っ!」

膨張したモノが波打って、数回にわたってかたらの体を汚していった。熱を解放して肩で息をする銀時に、かたらはうっとりと恍惚したまま微笑んでいる。

「……なんつーエロい顔…。ハァー…」

精を吐き出したばかりだというのに再びそこに血が集中していく。
こうなったら収まるまでやるしかないだろう。否、かたらが嫌がるかもしれない。でも今日は誕生日だし、少しくらいわがままを通しても大丈夫なんじゃないか。

「………」

銀時が悶々としている間、かたらは自分の体に散った熱いものを指先ですくって眺めていた。
白濁とした体液、これが精子。実はこの手のことは医学書で知識を得ているかたらであった。とりあえず、どんな味がするのかと指先を口元に持っていく。

「ッオイィィィ、おめーはナニするつもりだァァァ!」

間一髪、腕を掴んで銀時が阻止した。

「ふぇ……ど、どんな味かな?って…」
「んなこと知らなくていーから!」
「んっ…やっ、銀兄の当たってる…ぅ」

組み合っているうちに再び触れている屹立したモノ。それを目の当たりにしたかたらはまじまじと眺めた。

「なっ、こっち見んな、オイどこ見てるっ!?」
「………銀兄の…それって…」
「あんだよ?お前から見たらカワイイもんじゃねーだろっ」
「やっぱり大きいんだなぁ、って」
「……ん?やっぱりって何だオイ。何でお前が俺の大きさ知ってんだ?」
「だってほら…朝よくそんな状態になってるよ?」
「………」

それは所謂、朝立ちというものだ。同じ部屋で寝ていれば、否応無しに目撃されてしまうのは仕方ない。

「ね、銀兄の触ってもいい…?」
「だっ、ダメに決まってんだろーが!ちょっコラ、かたらっ」

かたらの手が伸びて大事なモノを握られ、小さな掌できゅっと亀頭に刺激が与えられる。銀時はそれに耐えかねてかたらの両腕を掴んだ。

「オイかたらコノヤロー…調子にのってっと痛い目見るって、まぁだわからねーようだなぁ…?」

銀時はかたらを膝に乗せてきつく抱き寄せると、問答無用に腰を揺らし怒張をかたらの秘部に擦りつけた。

「ふあぁ…っ!?…やっ、あんっ…待って、ぎんに…っ」
「くっ…誰がっ…待つかよっ……あー…いいわコレ」

対面座位の良い点は抱きしめ動きながら口付けできることだろう。
銀時はかたらのだらしなく開いた口を塞いで、口腔に溜まった唾液を味わった。じゅるりと舌を吸って唇を離せば透明な糸が引く。
最早かたらは生理的な涙を浮かべて、官能に魅了されていた。なのに清純さを打ち消せず、それが更に銀時を発情させる。いけないことを強要している征服感に浸れるのだ。
先程出した精液が潤滑油になり、ふたりの間でぬちゃぬちゃと卑猥な音を立てる。快感を高めていく。

「はぁんっ……あっ、あぁ…っ、あ……やぁっ」
「んっ…はぁっ、出る…っ」

びゅくっと二回目の吐精。その律動に震えながら、かたらに口付けて抱きしめた。

「やべーなコレ。…クセになりそう…」
「ん…そ、だね。…やばいかも…」





その日の夜。
かたらは贈り物を銀時に手渡した。それは銀時の掌に収まるくらいの小さなモノだった。

「……お守り、だな」
「うん。見て、わたしのとお揃いなの」

かたらは胸元から自分のお守りを引っぱり出して銀時に見せた。かたらのお守り袋には長い紐がついていて、首からぶら下げることができるようだ。
前に村市場の小間物屋で買った携帯用裁縫箱、それを使って厚手の布切れに刺繍を施し、縫い合わせて作ったかたらお手製のお守り袋だ。中には神社でもらった護符が入っている。

「お、裏に名前が縫ってあるな。…コレ作んの大変だっただろ?」
「んー、銀時の銀の字が大変だったかなぁ。でも、作るの楽しかったよ?」
「そっか。…ありがとな、かたら。大切にする」

銀時が頭を撫でると、かたらはふにゃりと幸せそうに笑った。

「銀兄、これはねぇ…婚約お守りなんです」
「あ?婚約って…」
「結婚の約束。その証としてこれを作ったんだよ?中の縁結びの護符にわたしの名前が書いてあるからね」
「…お前のには俺の名前が書いてあんだな?」
「うん」
「売約済みっつー証か。俺はお前のもの、お前は俺のものってワケだ」
「…うん、まぁそんな感じかな」

ふたりはこのお守りを肌身離さず、いつか約束が果たされるその日まで身につけることを約束した。
それがのちの、ふたりの運命を、遠い未来を見守るものだった。


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