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うん/僕はひよっこ/僕はひよっこパパ


【うん】
 無理して同意する必要なんてない。そう伝えたら、泣かれてしまった。いつも笑顔で頷く子だったから心配だったのだ。
「大丈夫じゃないよね」
「うん」
「しんどい?」
「うん」
 何でも頷く癖がある子の「うん」は判別し難いが、笑っていないのでこれは本音なのだろう。抱きしめてみたら更に泣かれた。

【僕はひよっこ】
 じゅう、と焼けた音がしたので、もういいかなと判断をつけてたまごをチキンライスに被せようとした。しかしフライングだったらしい。ドロドロの半液体が赤い山を汚していく。
 最終的にできたのは「火が通った洋風卵かけご飯」だった。
「パパ、へたくそ!」
 娘に笑われた。
 折角の妻へのプレゼントが。

【僕はひよっこパパ】
「早く見たいよう」
 娘が目隠しを取ろうとしているのに気づいて、慌てて止めた。妻がクスクスと笑っている。
 今日は下手くそと言われないように、妻と二人で料理を作った。もちろんケーキもだ。
 娘の大好きなグラタンをテーブルの中央に据えて、目隠しを取ってやった。
「さあ、お誕生日おめでとう」




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