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第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -

弱い強がり/酒飲み妖怪/相対的な心温


【弱い強がり】
 明日なんて来なければいい。一人ぼっちのまま朝日を浴びるのは怖かった。
 そんな私の事を心配するかのように化け物達が寄ってくる。背を撫でてくれる。
 だけど。
 朝日に怯えて退散する化け物達が、あまりにも申し訳なさそうな顔をするものだから。
 私は無理に笑って、一人ぼっちで朝日を浴びるのだ。

【酒飲み妖怪】
「酒はまだかのう」
「嫌ぁねお爺ちゃん一昨日飲んだでしょう」
「わしゃ毎日飲みたい」
「酒の飲み過ぎは体に悪いんです」
「わし妖怪だから死なん」
「それでも駄目です」
「酒飲み仲間として何卒分かってくれんか」
 しつこく食い下がる油すましに化け狸は肩を竦めた。
 一昨日三升飲まれたばかりだ。

【相対的な心温】
 手を繋ぐ。
 あなたの手は冷たいわ。彼女は嬉しそうに言った。
 何が嬉しいのだ。何が楽しいのだ。首を傾げて彼女を見つめると、彼女が続ける。
「手が冷たい人は心が温かいのよ」
 そんな昔の迷信を信じているというのか。
「なら、あなたの心は冷たいのね」
 私が言うと、彼女はぺろと舌を出して笑った。




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