自己紹介/ネット百物語/百鬼夜行
【自己紹介】
短所ならいくらでも出て来る。
自分の長所をアピールしろと言われて口ごもる僕に、周囲はくすくすと声を漏らした。
そんな中彼女は
「長所は短所、短所は長所。それさえ分かってれば長所が言えなくても問題ない」
きっぱり告げて僕の肩を叩いた。
周囲が唖然とする。
僕は少し、救われる。
【ネット百物語】
ネットで怖い話を百話募集した。
話はすぐに集まった。
残り十話だという時、二階の窓をバンバンと叩かれた。足場のない外からどうやって?
窓には手形が付いている。
九十九話目には赤い手形が付いた。
この手形の話を投稿してネット百物語は完成した。
そこで気付く。手形は内側から付いていた事に。
【百鬼夜行】
振り向くなよ。振り向くなよ。
ペタペタと足音が鳴るが耳を塞げよ。
ケラケラと笑い声が上がるがお前さんは笑うなよ。
目を閉じろ。頭が高いぞ、伏せてろ。
そうしてじっと待て。
百鬼夜行が去るまで待て。
優しい鬼は僕をうまく逃す為そう言って、怪物の行列に加わり、消えていった。
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