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ぐだぐだソネガハラ


「曽根崎、生きてる?」
 青木ヶ原からメッセージが届いた。
「生きてるよ。一人で死ぬ趣味はないから」
 そうメッセージを返すと、青木ヶ原は親指を下へ向ける絵文字を送ってくる。
「あたしは一人で死にたいタイプなんだけど」
「知らないよ。青木ヶ原が死ぬ時は、ついでに私も死ぬ時だから」
「メーワク」
「まあまあ」
 青木ヶ原が死ぬと、私も一緒に死ぬ。青木ヶ原は一人で死にたいので、私についてこられると迷惑。でも私は一人で死ぬ趣味はない。結果的に、どちらも死ねないまま、高校二年生の秋を迎えた。
「てか聞いて。地理の山田がこないだタピってた」
「タピる権利は誰にでもあるだろ。それよりタヒる権利が欲しい」
「わかる。曽根崎以外で理解してくれる人いない」
「友達いないのかよ」
「友達はいるけど、そーいう系じゃない」
「あーね」
 青木ヶ原から電話がかかってきた。字のやりとりで充分では、と思いつつも通話ボタンを押す。
「ねえ、曽根崎さ」
 鈴を転がすような愛らしい声が、スピーカーから流れてくるのに、私は気だるく、うん、と返事をした。
「他の人と心中する気ないの? あたしじゃなく」
「別にないね。青木ヶ原だからいいんじゃね」
 うわ、重。電話の向こうで、笑い声がひとつ。




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