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生存戦略/秋深し/もぐもぐ


 宇宙船は全てAIが管理している。乗組員の健康管理も全てだ。だが僕と彼女以外全員が宇宙に吸い込まれた。
 美しい彼女の前で無様を晒すまいと僕は必死で生き抜いた。宇宙船は無事に地球まで辿り着く。
 地球に着いた瞬間彼女は故障した。
 宇宙船は全てAIが管理している。乗組員の健康管理も全てだ。
【生存戦略】

 指先が凍える朝。一反木綿が首に巻きついてきた。絞められるのかと思ったら、今度はすねこすりが脛にぴったりくっつく。次に化け猫が上着の中に入り込んできた。
 家鳴りが私に飛びついてくる。揺らしてくる気配はない。
 ははあ、なるほど。
 私はヒーターのスイッチをつける。拍手が鳴り止まなかった。
【秋深し】

 餓鬼は年中腹を空かせている。何を食べても空腹のまま。
「うまい」
 どうやら味は分かるらしく、美味しそうにチャーハンを平らげる。もっととねだられて、梅干しおにぎりを手渡した。
「すっぱい」
 次はお菓子を。
「あまい」
 なんだか面白くなってきた。
「あまずっぱい」
 エンゲル係数が心配だけど。
【もぐもぐ】




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