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僕の私の/何回目のエディ/月一本


「第二ボタンを下さい」
 潤んだ瞳が僕を見つめる。僕のブレザーの第二ボタンはきらりと輝いて、まだ誰にも触られていないことを物語っていた。
 後輩の彼女はこの学校では馴染みのない第二ボタンという習慣を、誰に教わったのだろう。考えるだけで妬けてくる。
「いいよ」
 桜第一女子高等学校、卒業式。
【僕の私の】

 おはようございます。私はあなたの精神サポートキット、エディです。あなたは現在、ひどく混乱しています。いえ、エディはバケモノではありません。精神サポートキット、三号機です。よろしく。
 あなたは三年の間眠り続け……いえ、エディはバケモノではありません。精神サポートキット、三号機です。
【何回目のエディ】

 月に一本だけ走る月行きのバスに飛び乗り、運賃を払って席に座った。セイタカアワダチソウは地球原産の植物ではないらしい。月から光とともにやってきた、という説が有力なようだ。
 月にはススキが生えていないから、刈り取ったススキの束を土産にすると喜ばれる。月に留学する際は参考にしてほしい。
【月一本】




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