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百鬼朝行/悪魔の証明/人言葉


【百鬼朝行】
 朝っぱらから百鬼夜行が行われていた。まだ正式に百鬼夜行のメンバーになれない、幼い妖怪たちが遊んでいるのだ。
 私の布団の周りをドタバタ走り回ったり、甘酒を飲んだり零したりして。
「三丁目まで競走ね!」
 そう言って走り出す小さな妖怪たちを追いかけながら、欠伸をするのが日課になっている。

【悪魔の証明】
 あなたは魔女ですか、と問われ、私は首を横に振った。これは魔女裁判というものだ。この村では村人が熱をよく出すらしく、その原因を魔女に求めたのだ。
「あなたが魔女ではないという証明をしてください」
「そちらこそ、自分達が魔女ではない証明はできますか」
 途端に起こる内部紛争に、私は笑う。

【人言葉】
 花言葉ならぬ人言葉が流行っているらしい。人によって割り振られている言葉が違うのだ。
「そのままの美しさ」や「隠れた気高さ」など、やけに褒め言葉が多い。
 私の言葉は「福」だった。「神」と「漬」がいれば今日の献立にぴったりなのにな、と何となく思った。
「華麗」な主人と共に食べる夕食だ。




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