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足/僕がそうした/レトルト万歳


【足】
 テケテケという下半身がない女性の霊が出た。彼女は私の両足をがっしり掴んで、低い声を出す。
「足……ちょうだい」
 なので私は、知り合いのヒーローからお古の空飛ぶマントを貰ってきて、彼女に羽織らせる事にした。
「足がなくても移動できるよ」
 ムダ毛処理もしていない足をあげるよりマシだろう。

【僕がそうした】
 彼女を不登校にしたのは僕だ。
 虐めにあった彼女は苦しみ、飛び降りようとしていた。
「神様は乗り越えられない試練は与えないんだって!」
 僕は必死で叫ぶ。
「乗り越えられないこれは試練じゃない。だから乗り越えなくていい!」
 その言葉で彼女は学校に来なくなった。
 彼女を不登校にしたのは僕だ。

【レトルト万歳】
 惣菜やレトルト食品は手抜きなんだそうだよ、確か愛情が伝わらないとか何とか。
 スマフォを片手に僕が言うと、彼女は呆れた顔をした。
「それ、輸血パックじゃ愛情不足、生き血が一番気持ちが伝わるって、うちの父が母に食らいついたのと似てるね。吸血鬼界隈じゃ、そういうのを搾取って呼ぶんだけど」




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